ベスト4決めにて 敗退・・・・・  VS 東京成徳大高校  平成18年5月5日

選手たちに試合前に伝えたことは、以下の通りです。

平常心で戦えるか・・・ただそれだけ。今の文京は2点取られても3点取り返す力がある。伊藤先生が君たちに教えてきてくれたこと、そして君たちが今まで悔しい思いをしつづけてきた中で、「絶対に関東に行くぞ」という強い気持ちは、絶対に東京のベスト8に残っている他のどのチームにも負けない! という自信がある。何があっても、どんなことがあっても、最後まで勝利を信じて全力で戦おう。自分との戦い。常に自分が何をすべきか、自分に語りかけるべし。誰かがミスをしたときは、絶対に責めない。責めた者を責めるべし。ミスを恐れて弱気なプレー、弱気なパスをしている者がいたら、みんなで渇!入れるべし。今日ピッチに立てる人は、最高に幸せだと思って、明るく元気に頑張ってこよう。最高のパフォーマンスを見せてこよう。

注意すべき点

@       コーナーキック 

成徳は、明らかにコーナーを狙っている。切り込んできたり、クロスを上げようとせずに、DFに当ててコーナーにしようとする場面が多い。コーナーになっても、あわてないこと!

絶対にボールに競り負けない。ジャンプが高いので、競り負けないこと。ニアは特に打点が高いので要注意。ファーは走りこんでくる選手に注意。セカンドボールを押し込もうという気迫があるので、注意すべし。梅田・石川で競る。川野は球出し役。同一視野を忘れないこと。

A       ミドルレンジからのシュート コンパクトにキックするので、早くシュートを打ってくる。GKは、常にシュートを想定して、ポジショニングをとること。

B       流れの中からの攻撃で、注意すべきは、浮き球を胸トラップコントロールやヘッドで、すばやくスペースへ落とし、後ろから走りこんでくる選手に打たせる攻撃。

上のボールを落とさない!競り負けない!常に油断しないこと。

  点は取られるかもしれない。でも、あわてないこと。点を取られることを恐れて、引きすぎないこと。  攻撃は最大の防御!

   成徳は、文京のパスまわしのミスの瞬間を狙ってくる。危険な横パスは禁物。弱いパスもダメ。
  Build-Upの際は、常に角度のあるパス、強くて丁寧なパスを心がけること。GKも使うこと。


前半開始5分で、高橋の弾丸シュートが決まり、「早いなあ・・・」と、笑顔あふれるのもつかの間、その2分後に、すぐに追いつかれる。ここからは、成徳のペース・・・追加点を取られてもおかしくない決定的な場面も、何とかゴールポストが味方し、1−1のまま後半に。後半スタートから、今度は文京のゲーム。何度も押し込むが、ゴールを割れず・・・試合は延長戦へ。延長終了5分前。そろそろPKの順番を決めなくてはと、伊藤コーチに問いかける。「先生に任せます」と言われ、徳永・竹内・高橋・梅田・江口・・・いや・・・藤本・・・いや・・・DFは、やめておこう・・・と、悩んでいると、コーナーキックになる。嫌な時間帯だ。右からのインスイングのボールは最も危険である。ボールはファーサイドへ。走りこんできた船田は、フリーになってしまった。まさか、まさか、まさかの失点。ここまで耐えしのいできて、あの時間帯で失点していまえば、プロであっても放心状態となるであろう。不運だったのか、コーナーキックの守備の練習量が足りなかったのか、同一視野の練習が足りなかったのか、集中力が欠如したのか・・・・・成徳のコーナーは3本。この3本のうち、1本を決められてしまったのだから、やはり練習が足りなかったのかもしれない。選手たちに絶対大丈夫という自信を持たせないまま、成徳のコーナーの洗礼を浴びさせてしまった。選手たちには申し訳ない気持ちでいっぱいである。試合内容に関しては、審判を怒らせてしまうような不必要なファールが多かったことを除けば、十分満足がいくものであった。それだけに、なおさら、悔しさも倍増する。4日の夕方、伊藤先生と成徳のビデオを見ながら、コーナーキックを分析し、帰宅後も何度も見て、対策を立てたつもりだったが、十分ではなかったということだ。この1年、文京は本当にレベルアップしたと、誰もが認めてくれる。伊藤先生がコーチになり、「蹴るサッカー」「裏を狙うサッカー」から、「つなぐサッカー」「ビルドアップするサッカー」へ、変貌を遂げた。見ていて楽しい、ファンタスティックなサッカーに変わった。攻撃のバリエーションも多彩になった。尚美・妻沼・関東学園そして鹿島・・・どのチームよりも緻密な計画を立てて、取り組んできたつもりだった。予選1位通過までは、シナリオ通り・・・成徳にも負ける気は全くしなかった・・・しかし、関東への道のりは容易ではなかった。DFのキック力があり、前線に能力の高い選手がいるようなチームには、1点では勝ちきれないということである。しっかりつないで、決めるところでしっかり決める。そして確実に点が取れるチームになること。これが関東への必須条件であると、改めてその厳しさを痛感した選手たちは、この悔しさをバネに、さらなる前進を遂げてくれるであろう。

最後に、文京Tシャツを着てくださり、応援にかけつけてくれた保護者の皆様に、心から感謝の意を表します。
今後とも応援よろしくお願いいたします。

文京学院大学女子高校 サッカー部 床爪 克至