平成19年5月12日 創部11年目の文京学院サッカー部は 歴史を刻むことができました。
応援してくださったすべての方へ、感謝の気持ちを忘れず、今後とも精進してまいります。
本当に、本当に、本当に、ありがとうございました。

ちはやぶる 神のかためしわがゴール
選手と共に 守らざらめや
  
負けない文京を 再度祈願・・・
キャプテンの梅田が、選手全員に作成したお守り・・・
GK小林が、出場停止になったとき、全員に作った緑のリボン・・
さらに、今朝梅田から、右の絵が添付ファイルで送られる・・・
自分が伝えようと思ったことを、すべてやってくれる・・・
そんな頼もしいキャプテンに、朝から感動・・・
本日の参拝時間 6時

本日の賽銭 500円

今日は明治神宮の本堂をバッチリ撮影!

「頼みますよ!ひとつよろしくお願いします!」と、祈願。

実は、長男が、単願受験に失敗し、どうしようかと思ったときに、
祈祷に来たのが明治神宮でした。そして長男は希望の高校に合格・・・それから、私は、明治神宮の神を信じ、頼るように・・・
アップの奥で、十文字VS修徳・・・
試合終了間際に修徳が追いつき、
1−1のまま延長に・・・絶対絶命のピンチ・・・石山先生(十文字)
トイレに・・・「2年連続で関東に行けないのはキッチー・・・とりあえずオシッコ」と、余裕?延長後半終了間際、十文字のコーナーキック。十文字に友達がたくさんいる宮下は、明治神宮のお札に向かって祈っていた。すると・・・十文字、得点ゲット!恐るべし、お札の威力!!
十文字が目の前で関東を決め、石山先生、狂喜乱舞!本当に昨年は関東に出れず悔しかったのでしょう。試合後泣きじゃくる大きな石山先生に、「絶対行けよ!」と言われ、思わずもらい泣き・・・
去年は、夢の島のピッチを踏むことができなかった選手たち・・・
今年は思い切りこの雰囲気を楽しんで来いと願うも、ガチガチに緊張する坂本さやか・・・平常心が、いかに難しいか、痛感したでしょう。

「文京でも緊張することがあるんですね・・・」と、晴海の大滝先生も驚くような固さで、試合はスタート・・・

天然芝にもとまどいながら、前半は
吉祥ペース・・・
5月12日 関東大会出場決定戦
VS 吉祥女子  2−0 ◎  得点者 石川・原武
いよいよ関東大会をかけた一戦を迎えることになった。実は、3年前に、吉祥と文京の中学で、合同チームを編成して、春の大会に出場したことがあった。そのとき、確か、次から次に、能力の高い中1が追加登録されて行ったのを覚えている。それが今の高校1年生・・・吉祥女子には、もうひとつ、因縁のようなものがある。実は、自分が文京に赴任する前、吉祥女子の採用試験を受けて、落ちていたのだ。西荻窪で塾教師をしていた私は、吉祥女子の生徒に、英語を教える機会が何度もあった。長男が産まれ、好きなことばかりをやっていられなくなってきた27歳のとき、そろそろ安定した職につくかと、最初に受けに行ったのが、カリキュラムや生徒の学力も周知していた吉祥女子高校だった。しかし、当時の英語科主任と思われる女性に、「本校で教えながら、自分の塾に勧誘するつもりでしょ」と、勘ぐられ、即不採用に・・・帰宅するとすぐに、文京から電話があり、そして即決した・・・そんなエピソードがあった。

5月6日、吉祥の試合は、ビデオには収録しなかった。成立学園との試合を晴海で見ていたので、選手も自分も、特徴は把握していた。また、6日の試合を伊藤コーチが分析し、伊藤レポートを送ってくれていたので、対策は万全であった。これまで文京がやってきたことを考えれば、文京が普通に戦えば、負ける相手ではない・・・負けてはいけない相手だ・・・と、自分に言い聞かせ、あえてビデオ分析をしないことに決めた。

「吉祥さんも、良いチームです。みんな頑張りますし・・・でも、文京さんの方が、1枚も2枚も上手です。勝利を信じています!」そんなメールを某クラブチームからもらったり、「いつもどおりにやれば、大丈夫!」と、某大監督から応援メールが入る・・・6日に戦い、引き分けた飛鳥高校の金沢監督からも、「俺は王子神社に3日間行った!文京も参拝頑張れ!本気で応援してます!」と、メッセージをいただく・・・関東の他県の先生方も、「文京頑張れ!」と、応援メッセージをたくさんいただき、本当に大きな意味を持つ対戦なのだと、日に日に緊張も高まっていった。

昨日の金曜日は、広尾中学校での練習を入れていた。広尾中学校は、自宅から車で5分の場所にある。帰りも近い・・・しかし、あえてバスで移動することに決めた。13日まで試合があることを想定してバスを借りる・・・広尾中から、また文京に戻り、バスを置いて、自家用車に乗り換え、帰宅しながら、「やるだけのことはやったぞ。後は選手を信じるだけ・・・」と、自己満足に浸りながら水道橋の信号を右折しようとしたときに、電話が鳴る・・・山口重信(元江戸川女子高校、現関東学園大学監督)・・・の文字・・・ハンズフリーに切り替えて、電話をかけなおすと、「社長〜ホームページ7日から更新されてないじゃん!単身赴任で暇なんだから、ちゃんと更新してよ!明日応援に行くから、頑張ってね!」と、暖かいお言葉・・・9年ほど前、はじめてU18東京選抜の総務として、大会に帯同したとき、当時の監督に、「俺の車から、傘取ってきて」とか、「誕生会やりたいから、ケーキ買ってきて」と、パシリをやらされている自分を哀れに思い、「文京を強くしようよ!」と、励まし続けてくれた、山口先生・・・そんな先生に勇気をもらい、眠気も疲れも吹き飛び、無事帰宅・・・

すると、ある選手から「誓い」のメッセージが・・・
うちは、中学の頃から、自己チューで、我儘で、上手くいかないとすぐふてて、そんな人間でした。ほんとにご迷惑ばかりかけてしまい、すみません。高校生になって、だんだん文京の事を考えるようになりました。そして、藤本亜美先輩にたくさんのことを教えてもらいました。一番尊敬している先輩です。10月ごろ、床爪先生と話をして、そのころから、自分の中でだんだん何かが変わったような気がします。中1のころから、選手権予選をずっと一緒に見てきた響子に、「悲しい顔をしている床爪先生を一番見てきたのはうちらだよ」と言われ、「今年は絶対嬉し涙にしよう!必ず床爪先生を関東に!」と、響子と決めました。床爪先生は、他のチームの先生より、自分は教え方とか劣っているみたいなこと言ってましたが、そんなこと言わないでください。うちは胸を張って、床爪先生がよかったと、文京サッカー部が良かったと言えますから!飛鳥戦は、てんぱってしまい、自分が一番焦っちゃいけないはずなのに、焦ってしまい、チームに貢献できませんでした。今日は、一番声を出したいと思います。うちは声を出すことしかできないですから・・・やっぱり、簡単には関東には行けませんでした。関東の夢を今日まで延ばしてしまいました。でも、今日11年間の床爪先生の思いをしっかり持って、文京らしいサッカーをします。最後は自分たちらしいプレーで終われるのが、文京の良いところですから・・・床爪先生に、今日こそ関東の夢を!!願えば叶います!!平常心で頑張ってきます!・・・こんなメッセージもらえるだけでもありがたい・・・でもこれで負けたら、選手たは本当に傷つくだろうなと、不安もよぎる・・・

12日朝・・・8時30分学校に集合・・・いつもどおりということで、バスで全員で行くことに・・・
尚美学園、妻沼、関東学園、吉原高校招待・・・いつも移動はバスだったので、電車で行ける距離でも、
あえて全員がバスを選択・・・リラックスさせるために、レインボーブリッジ経由・・・・
「8チャンネルだ!」「レインボーだ!」と、興奮する選手たち・・・少しは緊張も解けたかと・・・
そして夢の島競技場が高速から見えてくる・・・「緊張してきた・・・」と、お腹が痛くなる選手たち・・・
駐車場に入ると、十文字もバスで来ていた。同じように、尚美、妻沼、関東学園、吉原と、チームを作ってきた十文字・・・お互いサッカーにかけてきた、情熱と、時間と労力は、絶対に今日の対戦相手には負けない、負けちゃいけないという気迫の現れが、まずは、「バス」なのかもしれない。

第1試合、修徳VS十文字をスタンドから見る・・・十文字の攻撃タレントを見れば、3−0?4−0の世界だと、誰もが思っていた。しかし、夢の島の芝生は、十文字のテクニシャンたちを苦しめた。パス、トラップ、シュート、すべてにおいて、やりにくそうである。こうなると、放り込むサッカーの方が有利になる。十文字は、絶対に負けられない!修徳は、勝てば大金星・・・そんな気持ちの違いもあったのだろう。試合の中味は十文字が優位であっても、ここぞというときに決めきれず、スコアは開かない・・・そして追いつかれ、延長・・・そんなゲームを目の前で見て、選手にも不安が走る・・・しかし、勝利の女神は、十文字に微笑んだ。修徳は、創部3年目で、関東初出場を狙っていた。学校をあげてサッカーに力を入れている修徳は、選手層も厚い。しかし、選手を集めれば勝てるという構図には絶対にしたくない。十文字も文京も、何年もかかって、ここまでやってきたチームである。全員が素人というチームからスタートし、女子サッカーが、マイナー競技としてバカにされてきた時代から、苦労して、今の地位を獲得してきたという自負がある。顧問が自力で頑張るしかないという境遇の中、膨大な時間と金銭をかけて、家庭不和に陥りながらも女子サッカーに取り組んできた十文字と文京・・・そして4人の部員からスタートし、数々の逆境に耐え抜き、女子サッカーの伝統校を仕立て上げた矢代監督率いる村田・・・この3チームは、特に、「新参者には負けるわけにはいかない」「妻沼カップに招待されたチームが関東に行けなくて、招待されかなったチームが行くというのは許されない」と、強く思っているはずである。また、「この時期に競った試合を経験させることが、選手の強化には重要である」との観点から、A2位VSB3位・A3位VSB2位という、いわゆるタスキ方式を提唱した十文字石山氏が、それにより敗退し、従来であれば権利がなかったはずの3位の修徳が、勝ち上がるようなことがあったら、選手たちに申し訳なかったと、激しく落ち込むことになる・・・、決勝点を奪った選手に向かって、ピッチに乱入してハグした十文字石山監督の奇行は、そんな思いからなのであろう。

試合時間が10分遅れる・・・
これはきっと、尚美学園の練習を終えて会場に向かった藤本亜美が、少しでも長く試合を見れるようにと、神様が仕組んだことなのかもしれないと、また信仰深くなる。
ピッチに入るまでは、ハイテンションで元気いっぱい。石川・江口が、こっちに来る・・・「絶対関東連れて行きますから・・・」石川は、力強く、江口は照れながら・・・そして坂本も・・・
試合開始・・・その坂本が、緊張しまくる・・・やはりプレッシャーの緩い相手には、混乱する坂本・・・
パスミスや、まさかの「抜かれ」を何回か・・・スタート15分だけ、ボールの受け役に宮下を起用するも、
芝によるイレギュラーバウンドで、なかなかうまくいかない・・・スタートは吉祥ペースであった。
前半0−0で折り返せたことで、ほっとひと安心・・・ハーフタイムで、坂本をリラックスさせるように・・・
後半開始まもなく、GK小林にアクシデント発生!飛び出したところで敵と接触し、そのまま立てず・・・
担架で運び出される。9分間時間が止まる・・・神様は、そんなに藤本亜美に試合を見させたいの???
と、うらみ口調でブツブツ・・・
そしてGK坂本さやか、この日も登場!!晴海戦でのナイスキーパーを見ていたので、みんな安心。
そして宮下をセンターバックで起用。宮下のセンターバックは、やはり上手かった。さすが関東選抜!
しかし、体力が持つか・・・もう、本当に神頼みしかなかった。
そして、迎えたコーナーキック・・・石川、ドンピシャヘッド!劇的な先制点でした。
その後、点を取ろうと、ラインをあげてくる吉祥・・・しかし風が左から右へ(右が文京が攻める方向)吹いていたので、バンバン裏を狙えるように・・・岡田・原武のコンビで、追加点。
これで安心・・・その後も、ラインをものすごくあげてくる吉祥に、逆に助けられ、風に乗って攻める攻める・・・
実は、水曜日に、梅田・石川・高橋が、夢の島を下見に来て、風の向きもチェック済み・・・
関東へのこだわりが、勝敗を分けたのかもしれない。

そしてホイッスル・・・もし、選手たちが来たら、絶対泣いてしまうと思ったので、速攻で下に下りる・・・
そして、選手たちが次々に抱きついてきて・・・やばい、涙が・・・上を見上げると、スタンドから乗り出して、
ビデオカメラで撮影している人影が・・・しまった・・・撮られた・・・・と、思いながらも、感激を味わっていました。

試合後、余韻にひたりながら、この11年間のことを思い出していました。
関東大会という大きな壁を打ち破ることができなかった10年間・・・
文京のサッカーを大きく変えてくれたスーパーコーチ伊藤直哉氏との出会い・・・
子供たちの頑張りを信じ、応援し続けてくれた保護者の方々・・・
応援メッセージを送ってくださった、多くの監督の方々・・・
後輩たちの奮闘を見に、駆けつけてくれた藤本・竹内・・・
メッセージをくれた、OGたち・・・・
そして悲願を成就させてくれた、梅田・守田・成田・江口・石川・宮下・高橋・小林・坂本・時田・原武・岡田と
祈り屋平賀と、勇気ある新入部員本田・・・

全員に感謝し、今日のこの喜びを胸に刻み、明日からまた、さらなる一歩を踏み出したいと思っています。
試合後、山口先生に、「今日は祝杯かい?」と聞かれましたが、まず睡眠をとりました。

今日の十文字戦が終わるまで、禁酒は続けようと思っています。

これからもどうぞよろしくお願いします。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。今日は長編でした・・・