新年明けましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になりました。

2009年は 今までになく 厳しい年になると思います。

期待も大きく 借金も大きく 腹回りも大きく・・・

プレッシャーを楽しみながら 明るく元気な一年になりますように

どうぞ皆様 今年もよろしくお願いいたします。

謹賀新年
 09
文京学院

2009年 元旦 監督挨拶

自他共に、「過去最強」と信じていた2008年・・・全日本高校女子サッカー選手権大会東京都予選という、1年間で最も重要な大会で、結果を出せませんでした。昨年の元旦挨拶・・・「全国に出るからには、全国のチームと戦えるようになってからでなくては意味がない・・・まだまだ文京は足りないものがある・・・選手たちもそう思っているようです。」と、書きながら、自信を胸に秘めていました。

新人戦、9人でベスト4・・・結束力の固い、「文京ナイン」が奇跡を起こす・・・そして、能力が高く、頑張り屋の1年生が多数入学・・・めぬまカップ4位・・・「全国行きは、ほぼ間違いない!」と、思ってしまっていました。もちろん、「過信は禁物!」と、常に言い聞かせていましたが・・・

しかし、5月の葛飾スポーツセンター・・・坂本選手が負傷したあの瞬間、自分の未熟さに、悪魔が襲いかかりました。ある理由で、試合に集中することができなくなってしまった自分・・・その後の数試合の采配も、精彩を欠き、代表決定戦にて敗退・・・3年生たちには、本当に申し訳ないことをしました。

気持ちを切り替え、U18選手権大会に向けてチームを作る・・・女子のスーパーリーグ、Liga Student(関東学生交流リーグ)の誕生で、選手の強化も順調に・・・そして、富士ワイズで、3位になり、自信復活・・・しかし・・・大会直前の練習試合・・・DFの連携が悪く、選手たちに不安がよぎる・・・「自分だけでこのチームを育てられるのか?」そんな不安が私自身にもよぎり始める・・・試合前のミーティングの時間もとれず、関東女子技術委員長会議、関東女子委員長会議と、山梨を往復する・・・チームがまとまっていないことに気づいたのは、試合の直前・・・これでは、勝てるはずがない・・・またしても、結果を残すことができませんでした。精神的にかなり滅入る・・・周囲からも「結果が欲しい!」というプレッシャーがかかり始める・・・自分にできることは、何だろうと考え、決断を下す。

8月下旬、バスの購入を決意・・・ネットで金利の安いローンを探す・・・住宅ローンを借りている銀行が、住宅ローン貸付者限定の低金利で、しかも、10年という長期間の返済OKという好条件でお金を貸していることを発見・・・さっそく銀行に行き手続きをする・・・昔からお世話になっている車屋さんに頼み、トヨタのコースターをかなり値引きしてもらい、600万で契約完了・・・納車は11月6日・・・私の誕生部の翌日・・・「これで、秋の関東に行けなかったら、バスを買った意味は???」そう、自分を追い込んで、チームを作っていくことに・・・

しかし・・・練習試合をしているとき、銀行から電話があり・・・「今回のローンは、審査の結果、貸付不可となりました。ご了承ください・・・」と・・・低い声の男性でした・・・焦りました。詳しく調べてみると、マイクロバスは、個人物品とみなされず、事業性が発生するので、ローンの対象外となるとか・・・だったら、最初から窓口で断ってくれよ!と、怒り心頭・・・でも、まあ、大手銀行相手に戦う時間も無駄なので、再度、ネットでローン会社を検索・・・すると、4.9%の金利で貸してくれるローン会社を発見・・・しかし、10年ローンは不可で、最長で7年間・・・600万のうち、400万円のみ7年ローンを組み、残り200万円は、私学共済のフリーローンで10年払いの契約を組むことに・・・9月下旬・・・何とか資金調達に成功!

10月上旬・・・秋の関東高校女子サッカー大会東京予選・・・決勝リーグで、またしても晴海総合に敗退・・・1勝1敗・・・崖っぷちに立たされ、最終戦を迎えました。対戦相手は、最も苦手な都立飛鳥・・・あの手この手を考え、練習に打ち込みました。幸運にも、3週間、期間がありました。11月1日・・・ロスタイムを経過していたような・・・本当のラストで、石川選手のフリーキックを高橋選手が決め、関東出場を決めた・・・おそらく、あれほど劇的な試合は、もう二度とないと思います。もしあそこで同点に追いついていなかったら・・・おそらく関東にも行けず、また、自信を失っていたでしょう。「文京サッカー部の分岐点となる1点だった」と、将来言える日が必ず来ると確信しています。

秋の関東大会で3位・・・東京都高校1部リーグで優勝・・・ようやく、過去最強の文京が、過去最高の実績を出すことができましたが、「全国」という目標は、達成できずに終わりました。しかし・・・12月21日の高校リーグ最終戦・・・敗戦でしたが、文京らしい、満足のできるサッカーを披露でき、笑顔で2008年の公式戦を締めくくることができたことは、大きな自信になりました。

3年生は、マネージャーの愛子様以外は、卒業後も全員サッカーを続けます。5名のうち、4名はそれぞれ違うチームに所属し、トップレベルの選手を目指します。1名は、保育士という、文京入学当初からの目標を実現すべく、文京学院大学の保育学科に進学し、中学時代に所属したクラブチームに戻り、サッカーを続けて行きます。

「監督」という役職をもらってから、10年・・・長い間、コーチに助けられ、何もわからない中で模索してきました。そして、高校サッカー部を、一人だけで見ると決めてから、2年が経ちました。3年目となる2009年・・・「どんな素人でも、10年もやっていれば、少しはまともになってくるはず」・・・そう信じてここまでやってきました。様々な場面で、様々な指導者の方々にアドバイスをいただき、それを床爪流に融合することで、「文京らしさ」が確立できたのかもしれません。

こんな私を信じて、文京に来てくれた選手たちの期待を裏切らないためにも、もっともっと研究し、もっともっと選手たちを伸ばしてあげられるアイデアを思いつき、実践できるように、頑張りたいと思います。

●大型免許を取得して、遠征にバスを使うようになった東京第1号は文京!
●ホームページを開設し、普及活動を行うようになった東京第1号は文京!
●下部組織(U15年代)をクラブチーム化した東京第1号は文京!
●バスを購入し、フットワークを強化した東京第1号は文京!

戦国東京で、他校の追随を許さぬ次なる戦法は???2009年・・・どんな東京第1号になることができるか・・・

密かな夢を抱き、チャレンジしていきたいと思います。

今年も皆様のお力をお借りし、精進したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

                      平成21年1月1日 文京学院大学女子高校 サッカー部 床爪 克至(44歳)