雪晴れを走る電車
1998. 1. 9.
雪晴れを走る電車

 僕らがすんでいる地方では、あまり雪は降らない。でも、全く降らないわけでもない。
 年に2、3回くらいつもって、そのうち1回は30cm位つもる大雪になったりする。大雪になったときには、電車が止まったりして大騒ぎになる。
 僕は、電車が止まってしまったりすることも含めて雪は好きだ。
 もちろん、電車が止まってしまうことはいいこととは言わないし、止まったことによって重大な用事ができなくなってしまった人もいるだろう。
 でも、困る部分も含めていいんじゃないかな、と思う。

 雪は幻想的だ。
 夜、窓から漏れる明かりに雪が白く光って舞っている。街灯に照らし出されたところだけ、雪が降っていることが分かる。
 光と闇との競演ではないか。
 雪は自然の物だ。
 首都圏では30cm雪が積もると、日常生活がくるう。鉄道が悪い、何とかしろ、と言うのはつまらないと思う。雪には勝てない、と思って、あきらめてしまう方がいいのではないか。自然に対して謙虚になれる。

 雪が積もった次の朝も最高だ。それも、まだ日が昇りきらないうち。木々が雪に覆われて世界が白くなっている。
 僕らが生活している世界が、白くなって、無くなってしまう。とても、すてきなことだと思う。
 交通も動かないなら、日常を忘れて白の世界を楽しみたい。
 けれど、日が当たり始めると雪は融ける。交通も動く。生活が動き始めた時点で、白の世界は終わる。
 とってもはかない。けれど、もうちょっと、白い世界を楽しみたい。
 いっそのこと、首都圏では雪休みを導入して白い世界を楽しもう。


もどる