ホテル

新横浜プリンスホテル
新横浜プリンスホテル
1996.1.

 超一流ホテルのもてなし(サービス)というのはすごいらしい。超一流とまでは行かないけれど、この前ホテルへ行く機会があった。残念ながら、宿泊ではなかったけれど、ちょっとばかりホテルのもてなしに触れてみた感想を。

 「一流」のもてなしというのは、たとえば、レストランで客と店員が狭いところをすれ違うことになる時、店員がさっと譲れるところだと思う。譲り方もさりげなくてはいけない。
 客に「あっ、こっちがよければよかったな」と思わせるような行動をとったら二流以下だと思う。もてなしというのは気遣い。
 「超一流」とは、客と店員が狭いところをすれ違うような状況を作らないことだと思う。物理的に店が広いと言うことではなくて、狭くても店員の気遣いで客に気を使わせる状況を作らせないことが大切。

 部屋で休む時も、考えてみると、やっぱり、さりげない気遣いじゃないかと思う。
 誰に頼むまでもなく、さりげなく自分のほしい物がそろっている。たとえ、物質的には満足でなくても、それを補うだけの従業員の気配りがある。
 たとえば、従業員にいろいろな物を頼みやすい雰囲気になっている。もちろん、押しつけがましくではなくて。

 もてなしはとても通り一遍の指導書では対応できないと思う。客にはそれぞれ個性がある。個性まで読みとるサービスが本当の「超一流」ではないか、と思う。
 だとするなら、本当の「超一流」というのは、何度も回を重ねて行く中に生まれる、個性に対する個性のもてなしになるのだと思う。
 僕はホテルに対して殺伐として無味乾燥なイメージを持っていた。しかし、本当の超一流のなもてなしがあるなら、とてもじゃないけれど、無味乾燥なんて言葉は使えないと思う。


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