雨の紫陽花
雨の日の紫陽花

 関東地方が6月9日に梅雨入りした。その後、早速、梅雨らしい日が続いた。雨の日は憂鬱だと言う。でも、雨の日ならでは、という事もあると思う。

 確かに、雨は嫌だ。毎日、往復している道のりも面倒になるし、散歩にも出かけにくい。雨だから、と言う理由で学校や仕事を休む人もいるかも知れないし、僕もしようとしたことが何度もある。
 確かに、雨は僕を憂鬱にさせる。でも、ちょっと違うこともあった。
 数年前、紫陽花の写真を取りに行ったときのこと。一緒に行った後輩の一人と「こう晴れた日だと紫陽花の雰囲気がでないよね」という話をした。
 紫陽花には雨が似合う。紫陽花の雰囲気を伝えようとしたら、雨だ。
 この会話を思い出すきっかけになったのが、ラジオの司会の話だ。外国から来られた方の話で「日本にはすてきな四季がある。なのに、夏には暑いと文句を言う。冬は寒いという。日本人はいったいいつがいいのだろうと疑問に思うことがある。」という一節があった。
 最初はちょっと、むかっときた。でも、最近、僕は季節感のある写真を撮ろうとしている。夏は暑く、ぎらぎらした太陽があり色彩も鮮やかになる。冬は、木々の葉も散り、回りの色の数も減り、さみしい雰囲気がある。
 季節の雰囲気は、目からの色彩だけでなく、体の皮膚で感じている部分もあると思う。夏の強い日差し、暑さ。冬の寒さ、斜光。そして、その季節ならではの味わいがあるのではないかと思う。
 夏のかき氷、プール、海水浴、デパートのクーラー。冬の鍋、スキー、スケート、ストーブ。季節ならではの楽しみ、やっぱり楽しいことだと思う。

 今は雨の季節。確かに、雨が降ると出かけるのがめんどくさくなる。外も暗く、雰囲気も暗い。そんな中で、紫陽花はしっとりと美しく咲いているのだと思う。今年も雨の日をねらって、紫陽花の写真を撮りに行こうかと思う。


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