山道
山道(福島県)

 一口に「道」と言ってもいろいろな道がある。毎日通る通勤通学の道。帰省の時に通る懐かしい道。旅行先で通る、見たこともないような道。どれも欠かせない道だと思う。物理的に欠かせないだけではなくて、僕らの心にとっても欠かせないと思う。

 毎日通る道の小さな変化や新しい発見も捨てがたい。でも、やっぱりはじめての道はわくわくさせてくれる。
 この先、何があるのだろう、きれいな景色がでてくるのだろうか? 果たして、自分の望むような景色に出会えることはあまりない。けれど、道の先にあった景色は、美しい。多くの景色が意外性を持っていて、新しい発見になる。
 うっそうとした林を行っていたと、突然視界が開けて180度の眺望があった。くねくねする道を行っていたら、谷沢の橋の上にでて見事な渓谷があった。山しかないだろう、と思っていたら、山間の山村に出会った。都会を行っていたら、突然田んぼ・畑が現れた。
 こういう意外で楽しい出会いがある。
 最初は期待はずれで、あそこはいまいちだったなぁ、と思うこともある。けれど、ちょっと視点を変えてあとから考えると、やっぱりいいところだなぁ、と思うことが多い。
 人との出会いもある。
 近所の道を歩いていたら、しばらく会っていなかった同級生にばったりとか。  道の上でばったり、というのはなんかいい響きがある。昔の友人にあったのが、昔よく遊んだ所だっら素敵だと思う。
 はたまた、道上でばったり会った人と一生のつきあいを持つようになったら、とっても綺麗な偶然じゃないかなぁ。

 どんな出会いにしろ、出会いは道の先にある。道はすべての物をつなげている気がする。僕らはすべてのことを見たり体験することはできない。でも、少しでも多くの物を見たり体験したりして、自分の物にしていきたいと思う。そして、そういう物は道がつなげているのだと思う。


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