多摩川
多摩川(二子玉川)

 地元や旅先で様々な川を見てきた。どぶ川から、泳げる清流まで。僕は川が好きだからよく川に行く。でも、川が好きな人は実は少ないのかなぁ、と思うこともある。

 先週、自転車を走らせて多摩川に行って来た。多摩川は東京と山梨の県境付近に源流を持ち、ずっと都内を流れて、下流では神奈川県との県境となり、最終的に東京湾にそそいでいる。
 八王子のあたりからずっと都会を流れているので、とてもじゃないけれど清流とは言えない。でも、清流とは言えないまでも、汚いわけでもない。川沿いにいて変な匂いがするようなことはない。流れも、泳げと言われたら嫌だけれど、足をつけてパチャパチャするくらいだったら、問題ない。
 都会の中をこんな川が流れているのにも関わらず、川を中心にくつろいでいる人は少ないと思う。バーベキューなどをしている人は結構見かけるけれど、川があるからと言う楽しみ方をしているのかなぁ、と思う。
 川があることの楽しみは、涼しさと、水の匂いが感じられる事だと思う。水の匂いを感じるのは無理だとしても、清涼感は多摩川でも十分味わえる。水面をわたる風は涼しい。
 河原を散歩していて涼しいのは幸せだし、河原で寝そべっている人、本を見ている人、ボーっとしている人、しゃべっている人なんかを見ると、幸せそうだなぁ、と思ってしまう。

 でも、と思うこともある。やっぱり、汚い川も多い。僕の家の近くを流れている川は、はっきり言って涼しさ以前に匂いがきつい。水の香りがしてほしいというのはなかなか難しい。けれど、川の涼しさを楽しめないほど匂いがするというのは何とかしてほしい。
 これは、川が遠くなっているからだと思う。町中の川は、コンクリートの護岸に覆われて、水に触れられる所は少ない。自分から遠くの方を流れていたら、関心も薄れてしまうと思う。洪水の被害をなくすことも大切だと思うけれど、川を身近にしていくことも大切だと、川好きの僕は思う。

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