贈り物

贈り物(花)
贈り物

 このところ、友人に写真を葉書にして贈ることが多くなった。はじめの頃友達に写真を送ったときは自分の気に入った写真を送るだけだった。
 ごく最近になって、少しばかり相手の個性をと言うものを考えるようになった。それは僕の手元にある写真が増えたこと。僕に相手の個性を考える事が少しできるようになったことだと思う。
 友達からのメールの一節に「もう8月も終わりですね。夏好きな私は、淋しいです」というメッセージがあった。僕はこの友達が夏が好きだなんて言うことは全然知らなかった。まず、このことを知らなかったことに対して、自分自身にちょっとショックを受けた。
 この友達に限らず、僕は今まで相手のことを考えると言うことが少なかったように思う。ただでさえ、相手のことを知ると言うことは難しいのに、そこまで行っていなかったと言うことか。
 このことは、今後の自分の課題として、僕はこの友達に写真で返事を出すことにした。夏が好きなら夏らしい写真を贈りたいなぁ、と思ったからだ。
 写真のいいところは、一枚で雰囲気が伝えられる所にあると思う。小説のように文をつなげて伝えるものもあるし、映像のように動く画で伝えるものもある。
 写真は一枚の画で雰囲気、そしてその後ろにある自分の考え方を伝えていく。
 幸いにして、夏らしい写真はすぐ手元にあった。今僕は、季節をテーマにして写真を撮っているから当然かも知れない。でも、自分の持っているイメージを写真に詰め込むのも難しい。
 夏のイメージ、僕はやっぱり暑くて元気、力強いところにあると思う。ここ数年、そういう力強いイメージの夏の写真が撮りたかった。このイメージに合う被写体としてひまわりを選んでこの夏とった。
 ひまわりにグッと近づいて、ひまわりの大きさ、太陽に向かっていく力強さをとった。ここまでイメージが固まって撮った写真ので行きはまずまずだった。ずっとイメージを膨らましてとりたいと思って撮った写真の出来は良かった。このごろ、中途半端なイメージで撮る写真が多かった。その中でちょっと僕を動かした贈り物。

ひまわりの写真は こちら

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