新緑

新緑の木
若葉の木

 ついこの前まで桜が咲いていたと思ったら、もう若いみどりの季節になった。木々を若々しい緑色がいろどり、さわやかな風が吹く。自然に屋外に出かけたくなる。

 昼食を食べに屋外に出ると、青空にみどりの木々、そこに少し暖かい風が吹いている。と、そのままどこかに遊びに行きたくなってしまう。
 新緑の季節になると、もう冬の面影は消えて、暖かくなっている。その暖かさも手伝ってか外に出たくなる。桜の咲く季節だと、まだ朝晩は寒く縮まっていなければならないのが、この季節になると朝晩も暖かくなりのびのび過ごせるようになっている。
 それに、木々の緑がいい。緑は目になじむ。それでいて、この季節の緑はどこまも鮮やかだ。太陽の陽に透けた新緑の葉は、文字通りひかっている。そこには、大きく、長く続くエネルギーがあるように思う。
 桜の花はとても美しいと思う。でも、桜の花は1週間もすれば散ってしまう。大きなエネルギーを持っているけれど、あっという間に終わってしまう。これは、桜の魅力を作っている大きな要素ではあると思う。けれど、力強さはあまり感じられない。
 この時期の木々のみどりは桜の花ほど派手ではない。けれど、派手ではない代わりに力強さを感じる。これから秋までの半年間しげり続け、木を支える栄養を作り出す。
 木から出てきた小さい新芽は、一見、弱く木にくっついているように見える。しかし、風が吹いても雨が降っても葉はなかなか落ちない。生きようとする物は強い。

 こんな、ことを感じてか、感じずか、僕は緑を見たくて外に出る。緑を見るために歩いたり、そこで何かを感じようとしたり、感じたことを誰かに伝えようとして、写真を撮ったりもする。そんな中で自分が元気になっていくような気がする。
 4月当初の、今年度はがんばるぞ! という意気込みに少し疲れた時に吹く心地よい風。さそわれて、外に出ていくと春に一気にエネルギーを出している木々に触発される。なんだかうまくできているな、と思う。と共に、自分から屋外に出て行かないと、季節の雰囲気は味わえないんだ、と思い直した。


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