いつもの道

並木道
並木道

 先週、地元をゆっくり写真に撮ろうと思い、家から駅までの道をカメラを持って歩いた。前から知っていた雰囲気と、新しい発見があってとても面白かった。

 僕が家から最寄り駅まで行く道は、自転車用と徒歩用と二通りある。徒歩の時に通る道は距離は短いけれど、坂がとても急なのだ。だから、自転車の時は多少遠回りしていく。ただ、自転車で通る道は車の通る大通り沿いを行くので変化が少ないかなと思い、今回は徒歩の道を歩いた。
 この徒歩の道の途中には地元の人しか知らず、クルマがすれ違うのも難しいような所を通る。右手に石垣があって上には畑がある。左手は竹林があって家がちらほらしている。竹林の間から、僕の家の近所が一望できる。なかなか好きな場所だ。
 ここをすぎると、住宅地となる。鉄道会社がかなり昔に造成した団地で、今の区画整理とは雰囲気がかなり違う。坂が急だし、土地の大きさも結構バラバラで、建っている家もいろんな雰囲気を持っている。
 住宅地の途中に3、4年前までよろず屋をやっていた店がある。今ではクリーニングの取り次ぎをする店になってしまった。でも、名残なのか、ジュースとたばこの自動販売機と、電話が残っている。何となく懐かしく、昔、郵便屋さんが休憩していたこと光景を思い出す。
 クリーニング店をすぎると自転車ルートと合流する。クルマがいっぱい通る大通りにでる。天気が良かったせいか、ゆっくり写真を撮りながらだったせいか、いつもよりも明るい雰囲気がした。並木の緑も鮮やかで、自転車に乗っている子供の表情も明るい気がしてしまう。いつも通る歩道橋にのぼり、下を見てみると、並木道に並んでいる車の列がまっすぐで絵になっていた。右を向くとマンションに挟まれた青空があった。前にも見たような気がしたけれど、こんなすかっとした雰囲気ではなかったと思う。

 いつも通る道も、ちょっとのんびり歩くとずいぶん雰囲気が変わる。こんど、自転車ルートもカメラを持ってゆっくり歩いてみようかと思う。


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