台風

 先週の週末から今週にかけて関東地方を台風が直撃した。関東地方を大きい台風が直撃したのは久々だと記憶している。

 僕は昔から嵐に縁がある。別に突出して嵐にあっている訳ではないと思う。嵐みたいな物の記憶は良く残るから、思いでの片隅に嵐がいくつかあるだけなのだと思う。
 中学校の時、自然教室で班ごとにウォークラリーをしていたとき、ちょうど山の頂上来た頃に雨風が強くなった。下山路も水が流れどろどろの中を、班なんか関係なくみんなで下山した。  翌年の夏休みの登校日。台風が来て、僕が生まれて始めて(だと思う)台風のために登校取りやめになり、翌年から登校日がなくなったとか。
 でも、そういう嵐のまっただ中とか、台風で家にどじこめられているとか言うのは、そう嫌いじゃない。家から、強くなる雨と風を見続けるのはあきない。雨戸を閉めていても、時たま端の方をあけて、外の様子をうかがってしまう。すると、家の中が濡れてしまって、しまった、と言うことになるのだけれど。

 今回は、台風の中、出かけた。一番激しいときの数時間前で、歩く距離が短かったので、さほど苦にならなかった。むしろ、もう少し降ってくれた方が迫力があるのにな、と思った。でも、いざ、大雨だと外にでるのは嫌なのかもしれない。

 ところが、今日外を通っていて、ほとんどのだんぼで、稲がなぎ倒されていた。一月前は元気だったはずなので、今回の台風か前回の台風だと思う。これを見たら、台風が好きだって言うのは無責任かもしれない、と思った。台風は恵みの雨を降らすけれど、降りすぎた雨や風で、僕らに必要な農作物に被害を出す。
 極端な話、台風一つでその年食えるか、食えないかが決まるはずなのだ。それに、多く、被害に遭われた方もいるし、亡くなられた方もいる。台風だと言って単純に楽しみというのはやっぱり、おかしい。でも、嵐はどこかドキドキさせてくれるところがある。


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