日本地図

 先週だと思うが、NHKの朝のニュースで面白い日本地図を紹介していた。日本全国の所得の増加率を色で示した地図だった。東京、名古屋、大阪、広島、福岡と連なる太平洋ベルト地帯が青く塗られ、地方が白かオレンジで塗られ、地方の一部がひときわ濃い赤で塗られていた。

 実は、これは今日(1月13日)のNHKスペシャルでも取り上げられている。太平洋ベルトが青いと言うことは、青が所得の増加率の高いところだと考える。しかし、実は逆なのだ。所得の増加率の高いのは地方のそれも農村部なのだ。逆に都市部では所得が減少しているという。
 都市部の所得が下がっているのは、高度経済成長を支えた、原料を輸入し製品を輸出するという加工産業の落潮。また、同じく高度経済成長を支えたいわゆる「ベットタウン」の平均年齢層が上がっていることによるという。かつて高度経済成長などを支えた世代が定年を迎えて所得が下がり、その世代の子供は独立してしまうからだという。
 逆に、地方の農村の所得が上がっているのは、一つは地方に重点的に配分されている公共事業。しかし、公共事業は所得の底上げをしているに過ぎないと言う。所得の伸び率が高いところは、その街独自の産業があるという。
 北海道で大規模に畑を作り直したところ。長野・群馬の高原野菜の産地。こういうところが高い所得の伸びを示しているという。大規模耕地にしろ、高原野菜にしろここ数年で始まったことではない。高原野菜などは僕が小学校の授業でも習ったから、10年以上は続いているはずだ。つまり、その土地の独自性を活かしたことをある程度の期間を見越してやっているところが所得を伸ばしているのだ。

 これらの事業は最初から大きな所得が入ってきたわけではないと思う。事業の研究があって、大きな投資があって、発展があって、ようやく安定的な収入になってきているのだと思う。同じ様な独自性の高い事業を行う街がこれから増えていくかどうかは分からない。けれど、個性が叫ばれる今日、いろいろな地方をもっと知りたいとも思う。


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