上海を歩く -2-

上海の新都市
上海の新都市 浦東新区
中央左が「東方明珠広播電視塔」

 上海市内には黄浦江という川が流れている。この川の川の東側は浦東地区と呼ばれ、かつては上海とは見なされないような地区だったという。しかし、現在は再開発が進みアジア1のテレビ等が立ち、巨大なビル群が出現し、新興住宅地もあるような所になっている。僕が泊まったホテルや、僕が用事のあったところは共にこの浦東地区にあった。

 ホテルのまわりは住宅地だった。上海ではアパートはかたまっていて団地になっている。植え込みや壁で囲まれていて団地の入り口に警備がいる所もある。団地の大通り沿いは商店街になっていて、商店や食堂が軒をつらねている。団地の中にも売り子の人や屋台がでていたりする。基本的には家のすぐ近くだけで暮らせるようになっているようだ。これが住宅地が遅くまで賑わうひとつの理由なのかな、と思う。
 この住宅地から3キロくらい離れたアジア一のテレビ塔「東方明珠広播電視塔」へ。この黄浦江の川沿いはとてつもない再開発が行われ巨大ビル群がそびえている。例えるなら、お台場や桜木町の様なところか。この地区はもう日本にいるのか、中国にいるのか区別が付かない。物価も恐ろしく高く日本なみだ。住宅地近くでは数元(1元=約15円)で食事ができるのに、テレビ塔の展望台は100元もする。外国人観光客か、よほどの金持ちしか近づくことはできない。テレビ塔の中にはいると、意外にも中国人の姿が多かった。香港の人も結構いるのかも知れないけれど、外国人はあまりいなかった。
 途中、中央展望台から最上階の展望台に向かうのにさんざんエレベータを待った。待っている最中に中国人の一行に強引に押されて前に割り込まれた。中国人のパワーだ、といってしまえばそれだけなのかも知れない。けれど、以前に中国に行く日本人はえらそうにしていてマナーが悪くて嫌いだ、という中国の方の言葉を人から聞いたことがあった。結局、少し金を持っていたりするとどこの人も同じなのかな、と思うと共に、やはり僕ら日本人も襟を正さないといけないなと思った。

 たった1週間、それも毎日半日くらいずつ上海の街を見て味わった。色々考えさせられることはあったけれど、また上海に行ってみたいと思う。


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