台風

 先々週、上海で台風の直撃にあった。先週日本に帰ってきたら、日本列島にそって台風6号が北上して全国に大きな被害を出した。

 先々週の台風が来ているときは、日常もしらない上海だったので台風で上海の街の活動がどう変わったかはよく分からなかった。が、上海の道はいつものように混雑して、バスも多くの人が乗っていたのでさほど多くの変化は無かったのかなと思う。
 僕らにしても台風によって大きな変化があったか、といえばほとんどなかった。いつもと同じように学会会場に行き、夜も遅くまで飲んでいるグループもいた。
 テレビの中のニュースでは台風の被害を伝えていた。上海市内で水がでたという感じの映像もあったけれど中国語なのでよく分からなかった。僕らがいたところでは浸水などの被害はなかった。他のグループの飛行機が飛ばなかったり、遅れたりしたことを聞いて、ようやく、台風であることを感じた。
 日本に帰ってきても同じだった。先週の台風では僕らが住んでいる横浜では大きな被害はでなかった。僕らの地域では大きな影響ではなかったからだと思うけれど、僕らは台風に関係なく日常生活を送った。いつもの時間に大学に行き、いつもと同じ様なことをして、いつもとさほど変わらない時間に帰った。
 以前は良く止まっていたある電車も止まる頻度も減ってきて、あまり気にせずにすむようになってきた。これは、鉄道会社の努力によるものだろう。さらに以前は良く停電したり、家の近所でも河川がはんらんしたとも聞く。電線、電柱の改良、河川の改修などによって台風などが来てもいつもと同じ様な生活が送れるようになってきた。

 台風や大きな嵐が来てもいつもと同じ様な生活ができることはとてもうれしいことだと思う。それに物流に支えられている現代は交通が止まると何もできなくなってしまう。しかし、かつてはどうだったのだろうか。物流以前の問題だ。米や野菜がなくなるという危機があったはずだ。そういう生活は厳しいけれど、僕らはあくまで自然の中で暮らしているのだから、自然災害で普通の生活ができなくなるのも自然なのかもしれない。


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