たまちゃん

鶴見川
鶴見川

 北極海に住むアゴヒゲアザラシが8月7日に多摩川に現れた。多摩川と言うことでたまちゃんという愛称をもらい子ども達の人気を集めた。その後台風の影響(と言われている)で17日からいったん姿を消したものの25日に再び鶴見川にあらわれた。

 鶴見川は僕の地元横浜を流れる川で全国で3番目に汚いといわれている。僕はこのニュースを旅行先で友達と一緒に聞いていてみんなで「何でよりによって鶴見川なんだ」と言う感想を持った。これは多くの人が同じだったようだ。
 さらに、たまちゃんは鶴見川に来てから少しやせ、さらに身体も汚れてしまったという。そのため多摩川にいた時よりさらに多くの心配を集めた。この心配に対し「川が汚く、あわなければ自然にいなくなるだろう」と発言をする役人がいたという。アザラシ本人としては汚ければ他に行くだろう。僕の見解も野生動物なのだからある程度は動物の意志に任せるべきだと思う。けれど、川を管理する人の発言であれはまずい。
 鶴見川は東京町田市を水源とし川崎、横浜市を流れる都会の河川だ。奥多摩・山梨を源流とする多摩川とは異なる。けれど鶴見川は汚い川だ、と言い切ってしまってはいけないと思う。つまり、行政としての発言は「アザラシの保護を考えると共に、都市河川の浄化を考えていく」とあるべきだったと思う。
 川の汚染は次第になくなっているとはいえ、まだまだだ。特に都市河川の場合、わき水などの綺麗な流入水が少なく下水道の流入が多いことが汚れの原因だと言われている。下水道が整備されていても処理場で100%綺麗になるわけではないので下水道からの流入が多い場合は川に負担となる。

 鶴見川では将来の川を考える上でのマスタープランを作成中とのことである。この中に、水源域の健全化(植林・道路の排水の問題)などが盛り込まれることを期待する。ともに、下水処理場の負荷を減らし、下水処理水をさらに清浄にするため市民が排水に気をつけなくてはならいない。
 たまちゃんの登場が川の浄化を考える一歩になれば良いのではないかと思う。

参考資料
国土交通省関東地方整備局京浜工事事務所(マスタープランなど)
横浜市のページから(鶴見川のよごれについて)
国土交通省下水道部下水道事業課(全国の下水道普及率)
東京都下水道局から(町田市の下水道普及率)


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