ゆとり教育

教室
教室

 今年から公立学校も完全に土曜日が休みになった。これはゆとりを大切にした教育をしよう、と言うことらしいが本当のゆとりとはどういうことだろうか。

 先週とある縁で中学校の文化祭を見学させてもらった。午前中に舞台発表があり、昼に展示見学をしていた。午後からはPTA、地域の方主催の縁日形式になっていた。昔は縁日は別の日に行っていたような記憶がある。
 僕が中学校に通っていた10年前くらいはまだ第2土曜日が休みになったばかりだった。文化祭は3日くらいあてられていて(これは当時でも多い方らしい)、自分たちの舞台発表などで1日、展示見学で1日、さらにプロやセミプロの方の舞台発表などを見るのに半日の時間をとっていた。クラスでは展示か、舞台かで10月末の文化祭のために、夏休み前から話し合いをして決め、生徒や先生の投票で決まる文化祭大賞を目指した。
 土曜日が月1回休みになったので、2年生からあった選択の授業を減らして、授業時間は前と同様だったので、放課後にみんなで集まってわいわいやりながら文化祭の準備をしていた。
 いま僕の中学校はどうなっているか正確には知らないけれど、僕らのスタイルの文化祭というのは5年くらい前になくなってしまったらしい。僕らの時には3学期に行っていた合唱コンクール(こちらも一大イベントで冬休み前頃から話がでてたかもしれない)を文化祭として行うようになったらしい。
 僕の中学校時代の大きな思い出のひとつの文化祭という行事が、ある意味なくなってしまったというのは悲しかった。

 ゆとりを求めるのは悪いことではないと思う。しかし、勉強の時間を減らしたことで、さらに楽しみにしている行事の時間が減ってしまうのはゆとりなのだろうか、と思う。行事を楽しみにして学校に通う子もいる。不良だって体育祭の応援団長になればヒーローだ。  逆に、学校は教育を行う場のみにして、行事は地域の住民でやろうという考え方もある。しかし、そういう受け皿の準備をせずに学校行事を減らすゆとり教育は好きになれない。


もどる