オープンカー
先週、紅葉の写真を撮りに奥多摩方面に車を走らせた。出来るだけ渋滞しないような道を選んで走った。途中、紅葉の綺麗な山道を少しゆっくりと走るメルセデスベンツのオープンカーに出会った。
僕が走っていたのは山梨県上野原町から山梨県小菅村へ抜ける県道18号。小菅村と東京都奥多摩町は隣になる。昨年、奥多摩に紅葉を見に行った帰りにこの道を利用した。少し道が細かったりするので、あまり走っている車は多くなかった。それ以上に、細い川沿いに走り、紅葉がとても美しかったことが印象に残っていた。
今年は、夏からいきなり冬になったと言われているように、急に寒さが訪れた。奥多摩の標高の高いところは紅葉が終わってしまっていて、この道沿いあたりがちょうど良い頃合いかも知れない、思い、県道18号を通ることに決めた。
上野原から県道をしばらく走ると市街地は終わり、山へ入っていく。早く紅葉の山々にならないかと、少しスピードを上げて走る。紅葉が両手に広がり少しスピードを緩めようかと思った頃に、前の方に、ベンツのオープンカーを見つけた。オープンカーと僕の車の間にもう一台車がいたけれど、すぐに3台一緒に走る様になった。せっかくのオープンカーなのに幌をかぶったまま走る車が多いけれど、この車は幌をあけて青空をいっぱいに浴びながら走っていた。
オープンカーの速度はまわりの紅葉を楽しみながら走るのに程良い速度で、僕と僕の前の車も程良い距離を保ちながら走った。ラジオからは、今日の天気と、ドライブにあったゆっくりとした音楽が流れてきて僕はとてもリラックスした気分になった。
視界の開けたカーブを曲がるときにオープンカーに乗っている人の後ろ姿が見えた。少し年を重ねられた夫婦が乗っていた。少し白髪の混ざったご主人がハンドルを握っていた。僕はとても素敵だなと思った。
路肩に駐車スペースがあるところで僕は車を止めて写真を撮ることにした。でも、この日はゆっくり走るオープンカーの後ろをずっと走っていたい気分だった。
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