うどん

高松駅
香川の玄関高松駅
4年ほど前

 先週、村上春樹の「辺境・近境」という旅行記を読んでいた。その中に、香川へ行き讃岐うどんを食べまくるという話があった。

 うどんと言えば、讃岐うどん、讃岐(香川)と言えばうどん、とイメージできるほど香川はうどんだ。実際に香川を歩いた村上氏によると、うどん屋はとても多いらしい。
 僕も数年前に香川には行ったことがある。けれど、天気が悪かったために、街中はあまりあるかずに、定番観光地を巡り、次の目的地だった松山に向かってしまった。だから、僕は街中にいっぱいうどん屋があふれている事は全然知らなかった。
 それでも、最低限押さえるところは押さえて、昼食を駅のうどん屋(関東で言うところのそば屋)でうどんを食べた。もちろん、関東の醤油ではなく、だしで食べるうどんだ。もう記憶は遠いが、駅うどんにもかかわらずおいしかった様に思う。
 次回、四国に来たときは、うまい讃岐うどんを食べたいな、と思っていた。けれど、その次に(これで最後だけれど)四国に行ったのは、香川県ではなく愛媛は松山だった。友達の家に遊びに行ったのだ。あちこち回れば良かったのだろうけれど、ほとんどを松山市内の観光にあててしまった。もちろん、四国全体としてうどんがうまいとは思うけれど、やはりうどんの香川だ。
 その前後、僕は広島でうまいうどんに巡り会った。広島に連泊した旅行で、毎日お好み焼きもどうかな、と言うので他の物を食べようと、商店街を探して入った店だった。「むさし」と言うお店だ。もう、味付けもあまり覚えていないが、ここのうどんとおむすびはかなりうまかったと記憶する。
 そこでうどんを食べてから、このくらいうまければ、外食でうどんという選択しも悪くないな、と思うようになった。

 それ以後はあまり美味しいうどんを食べていなかった。先週「うどん」の話を読んで、また四国に行き、村上氏も食べたような美味しくて、そして、香川独特のうどんを食べたくなった。


村上春樹「辺境・近境」新潮文庫


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