雪の朝

 先週の月曜の未明から、関東地方では大雪になった。関東では、今年は冬の訪れが急で夏から突然冬になったとも言われた。また雪も12月になったとたんに降った。平年よりも一月近く早い初雪だったそうだ。

 その前の週の天気予報では、日曜日が雪になりそうだと伝えていた。日曜日は写真展に出かける予定だったので、雪が降るとまずいな、と思っていた。しかし、予報はやはり予報で、雪の降る時間は段々ずれていった。お陰で、日曜日は特に雪で混乱することなく友人達とゆっくり写真展を見ることが出来た。
 その日曜日の天気予報で、夜から雨が雪になりそうだと言うことを伝えていた。このままふらないかな、とも思ったけれど、未明4時くらいに目が覚めて外を見てみるとうっすらと雪化粧した景色が広がっていた。僕はこの後すぐ寝てしまった。本当は、いつもより30分ほど早く起きて家の近所で写真を撮ろうと思っていたのだけれど、結局いつもの時間まで目が覚めなかった。
 と言うのは、朝一番で見る雪景色が一番綺麗だからだ。人が足跡を付ける前の綺麗さ、と言うのもあるけれど、それ以上に朝が綺麗だ。ふったばかりで、融け始める前のさらさらの雪が一面に広がる。少し風が吹けばすぐ落ちてしまうような木の枝にもふっくらと雪が積もっている。そして朝の冷気が景色全体を引き締める。上からは白い太陽の光が、帯を作りながら、やわらかく雪を照らす。
 僕はそういう朝を体感したかったのだけれど、なかなか難しかったようだ。結局、少し早く朝食を済まし、少しだけ雪の光景をカメラに収めた。今日、ようやく現像に出したので、どの様に写っているか楽しみだ。

 写真を撮った後、電車で大学に向かった。ずっと、窓から雪景色を楽しむつもりだったのだけれど、電車のダイヤが乱れて、混雑していてそれどころではなかった。少し残念だったけれど、雪ならしょうがないか、とあきらめた。電車を降りた後再び、雪で真っ白になった光景を見ながら転ばないようにゆっくりと歩いた。


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