燃料電池

トヨタのFCHV5
トヨタの燃料電池自動車 FCHV 5
2001年の東京モーターショーにて

 かなり前の話になってしまうが、トヨタとホンダの燃料電池自動車が官庁に納められた。まだ値段が高くとても一般の人の手の届くしろものではないが、究極のクリーンカーとして注目を集めている。

 そもそも燃料電池とはいったい何なのか。電池という名前が付いているので、乾電池のような使い切り電池を想像してしまうかも知れない。が、実際には太陽電池の様な小型の発電システムなのだ。太陽電池は半導体で光を電気に変換する装置だ。燃料電池は、特殊な物質のなかで、水素ガスと酸素ガスを反応させ、その時にでるエネルギーを電気に変える装置だ。水素ガスさえ用意しておけば、空気中の酸素を用いていくらでも電気を作ることができる。さらに排気ガスも出さずにでてくるのは水だけという優れものの装置なのだ。
 この燃料電池は太陽電池よりもパワフルで天気にも左右されないので、次の時代の石油に変わるエネルギーとしてもっとも有力視されている。その燃料電池を積んだ車がついに市販車として日本の道を走ることになった。燃料電池自動車を売り出したのも(リースらしい)日本のメーカーが初めてだし、市販車として走ったのも日本が最初だ。日本の高い技術力と、古くから省エネルギーに取り組んできた国らしい事だと思う。
 さて、この燃料電池であるが、自動車だけでなくて様々な用途への使用が考えられている。既に実用化されているのは、宇宙船での発電装置。また近い将来実用化されそうなのが家庭用の燃料電池だ。自動車で実用化されたことを考えると程良い大きさの機械ができそうだ。現在の大きな発電所に変わるものも考えられている。また、逆にノートパソコンや携帯電話などの小さい物への応用も考えられている。水素は少ない量で大きなエネルギーを出せるのでバッテリーがさらに小型化できる可能が十分にある。

 水素は爆発があぶないという危険性があるが、水素ボンベの性能も上がり車に搭載されている物ではガソリンタンクよりも安全だという。また小型の物へは水素吸蔵合金という安全に水素をためられる装置も開発されつつある。あとは値段という大きな問題が解決され、日本の至る所でクリーンエネルギーが生み出される日もそう遠くないだろう。


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