日本にハワイがある。そして、そのハワイはもうすぐ、なくなってしまうと言う。
鳥取県のほぼ中央に、羽合町という町がある。「はあい」などと読むのではなく、紛れもなく「はわい」と発音する、日本のハワイである。中学の時の先生が、この羽合町の近くの出身だったので、僕は結構前からのこのハワイの存在を知っていた。近年、アメリカのハワイと友好都市となっている。さらに、日本のハワイとして、アピールし、関西地区ではかなり有名になってきているらしい。
このハワイが、町村合併のために無くなってしまうと言う。先週のTBSの「噂の東京マガジン」と言う番組がこのことを取り上げていた。
羽合町は、2004年10月より隣接する、泊村、東郷町と合併し、湯梨浜町になると言う。羽合町が吸収する形の合併ではなく、対等合併なので、新しい町名をつけるのは、間違ったことではないと思う。
しかし、羽合町は、「ハワイ」にあやかり町を活性化していた。ハワイからも国際交流員という形で、人を呼び、ハワイとの交流に一役買っていた。また、町には椰子の木に見立てられた、シュロがうえられている。町にはフラダンス同好会があり、町のイベントともなれば、引っ張りだこだという。役場の職員や町議会議員もアロハ姿で、仕事や議会を行う。役場には「アメリカハワイ」観光パンフレットがおいてあったりする。
僕は、見ていて、最初は、この取り組みを、なんだ、ばかばかしいや、と思っていた。しかし、町民あげてハワイとの文化交流を行ったりする姿や、一度はアメリカハワイに行きたいですね、町民の声を聞いているうちに、この「ハワイ」は本物なのではないか、と言う気がしてきた。そして、町村合併の話が持ち上がったときも、町民の多くは「ハワイ」の名前を残してほしい、と思ったそうだ。
対等合併なので羽合町という町名になればしこりが残る。日本のハワイが消えてしまうのは少し悲しい。本当に、町村合併は必要なのか、と言う思いにも駆り立てられる。ともかく、羽合町が無くなっても、ハワイの皆さんにはハワイとの交流は続けてほしいと思う。