多摩湖

多摩湖

 東京都東大和市にある多摩湖という湖に行って来た。周りを緑に囲まれた湖は、都心の近くにあるとはとても思えなかった。

 東京都のほぼ中央、北側に多摩湖と言う湖がある湖がある。隣の埼玉県には狭山湖という湖もある。これらは人工の湖だ。つまり、ダム湖だ。これらのダム湖は古く、大正から昭和初期に作られたそうだ。柔らかに、緩やかに作られている印象を受ける。土を固めて作られた、アースダムというダムだという。純粋に、水道貯水のためのダムで、発電設備はない。今のダムで見られるような、巨大なコンクリートの壁の上から下へ向かい、水が流れ落ち、発電しているようなことはない。
 ダムというととても近づきがたい印象があるけれど、多摩湖は違う。ダムのすぐ下に、住宅地が広がり、電車が走り、野球場がある。ご存じの方も多いと思うけれど、西武球場はこの多摩湖のほとりにある。
 ダムの上も人が簡単に通れるようになっていて、今では公園となり周りと一体になり整備されている。湖の周りは林で覆われていて、今の季節は、若々しい緑が目にまぶしいくらいだった。ダムの周囲も自転車道路になっている。自転車道路はかなり整備されている上に、この季節は新緑の中を走ることが出来る。夏にも一回来たことがあるのだが、青々と茂った緑に満ちていたように記憶する。冬は綺麗な紅葉が見れるのだと思う。
 とても、新宿や池袋から1時間くらいで行けるところだとは思えなかった。自転車道路を少しはずれて、遊歩道を歩くと、どこかの高原の林を散歩している、と言われてもおかしくない気分になる。
 しかし、やはりここが東京都だな、思わされる。ダムの周辺には、「ここはあなた方の水源地です。ゴミを捨てないで下さい」と言う看板が沢山立てられている。それにも関わらず、ゴミが捨てられている。ゴミはあとちょっとでなくなりそうな量なのだ。

 西武球場周辺を除くと、多摩湖と狭山湖の周りはあまり観光地化されていない。意外な都会のオアシス。弁当、水筒、敷物を持って出かけて広場転がると気持ちよさそうだった。


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