バターロール

 久々に、のんびりと過ごした連休だった。朝は目が覚めるにまかせて起きて、少し散歩をして、午後から、今度は自転車で散歩をしたりした。

 今年の連休は天気も良くて、のんびりと過ごすのにはとても良かった。自転車で遠出をしたり、近所を走ると、とても気持ちが良かった。
 自転車で山道(と言っても普通の車も通る道ですよ)を走っていたら、ハイキングの人に呼び止められ道を聞かれた。ハイキングといっても、駅から少し歩くと言う程度のハイキングだと思う。道を聞かれた後に「いいですね、自転車、気持ちよさそうで」と言われた。ちょうど僕は上り坂を走ってきていて、結構きつくて、途中で止まるのが面倒だったのに、なにが気持ちよさそうでだ、と、少しムカッときてしまって「いや結構きついですよ」なんて答えてしまった。でも、山道がきつくて上るのが大変でも、新緑の林を走るのは気持ちよかった。山道を登った甲斐あって、山の上の方は涼しかったし、帰りは、本当に気持ちよかった。帰り道、道を聞かれたバス停の前で、行きは悪いことをしたな、素直になれるくらい、新緑がきれいだった。
 自転車で遠出をした日の翌日は体がなかなか動かない。それでも、他にやることもなかったので、鞄に読みかけの文庫本をつっこんで、自転車に乗り、近所の河川敷へ向かった。少し走ると、やっぱり足が痛くて、自転車はやめれば良かったかな、と思うのだけど、川へ着いて、川面をわたる風をあびながら走ると、悪くないな、と思ってしまう。河川敷にあったベンチに腰掛けて、文庫本をめくると、日差しは強い物の、川からの風が涼しい。最初は少し読んだら帰ろうと思っていたのが、結局最後まで読んでしまった。

 ご飯を買いにスーパーに行ったらバターロールを安売りしてた。夕方、お腹がすくことが多いのでちょうどいいなと思って買った。自転車で散歩して帰ってきた時に食べた。特にやることもなかったので、のんびりゆっくりと食べた。ゆっくりとかんで食べていると、バターロールの味がした。甘く、ほんのりバターの香りがするバターロールの味がした。この味をしっかり味わったのは、何年ぶりだろう。


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