古典

 古典と言うと音楽の古典とかもあるけれど、今回は文章の古典のことだ。国語の授業ででてきて、古典の先生には失礼だけど、なんだかよく分からないままに、とりあえず、読んでしまった古典だ。

 なんで、日本の言葉なのに、こんなに違うんだと思ったり、よく分からない文法を覚えなくてはいけなかったりとかした。それに、入試とかだと、多少文法を覚えて丁寧に読むのと、感覚的に読めるところだけ読んでカンで答えるのとでは、あまり変わらなかった。これは、もちろん、もっときちんと勉強しろ、と言うことなのだけれど、丁寧な勉強が苦手だった僕は、結局「うーん。何となくは分かるんだけれど」というレベルで終わってしまった。
 さて、そんな事から大分経つわけだけれど、先週、新宿南口の紀伊国屋書店をうろうろしていたら、角川文庫で出版されている古典の「ビギナーズ・クラシック」と言うシリーズが目にとまった。その中でも、日本最古の書とされる「古事記」に手を伸ばした。実は、ここ1年くらい、神話、特に日本の神話に興味を持って、易しそうな解説書を数冊読んだりしていた。でも、話がとびとびだったり、書いた人の学説が中心に入っていたりするので、一度は古事記や日本書紀などを読みたいな、と思っていたのだ。
 ところが、古典の授業を適当にしていた僕は、いざ、読もうと思っても、なかなかその手の本にてが伸びなかった。もちろん、現代語訳がついた本もあるけれど、そういう本にもなかなか手が伸びていなかった。
 そんなときに、このとても平易にかかれた、この本はすんなり、中をあけて、簡単にかかれた日本語訳とその隣に置かれた書き下し文(古事記の元々は漢文で、それを漢字仮名交じりの古典の文章におこした物)を読むことができた。

 実際、今、読んでいるのであるが、全文が載っているわけでなくて、欲求不満になることはあるけれど、古事記の全体像をつかむのには良い感じがしている。そして、これを読み終わったら、書き下し全文と、現代語訳がついている本に挑戦してみようかな、という気にさせてくれている。


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