圏央道

草千里

 昨日、自転車で八王子市内を走っていたら建設中の圏央道(首都圏中央連絡自動車道)を見かけた。その巨大な橋梁は、果たしてこの道路は何なんだ、と思ってしまうほどだった。

 今調べてみたら、僕が見た工事箇所はどうやら八王子北インターチェンジの建設だったようだ。それは巨大に見えるわけだ。でも、周りはインターが必要な雰囲気でもなかったんだけど・・・。
 本当に便利なのか? と言う問題もあるけれど、本当にこの道路は環境に配慮して造られているのか、と言う疑問もある。確かに環境アセスメントは行われているし、「環境に配慮した」設計になっているのかもしれない。でも「環境に配慮しました」というのはあくまでも後付の理由にすぎないように思う。環境アセスメントを行わないと、周辺住民への説明を行わないと、道路ができないから、行います。でも、方針は変えません。そう言う雰囲気を感じる。やっぱり、「この場所に、道路を造ります」がありきなのだと思う。
 確かに、圏央道のように、首都圏をぐるっと一周する、山手線のような環状道路は必要なのだろうとは思う。首都高速や、都心の数少ない環状道路の環状8号線などを走っていると、途中で降りたり乗ったりする車は少ない。都心を単に通過、あるいは高速と高速の間をつなぐように走る車が多い。都心部の渋滞を作り出し、都心の環境を悪化させているのはこういう通過する車を外部へ割り振れば大幅に緩和するだろうと思う。車は渋滞なく走れば二酸化炭素や有害物の排出も少なくなる。環状道路の建設には反対ではない。
 では、圏央道ができたら都心を通過する車は減って渋滞緩和になるのだろうか。僕は圏央道を国や自治体、道路公団などがどのように運用して行くがキーポイントになると思っている。「莫大な建設費がかかったので」東京湾アクアラインの様に高い通行料をとれば状況は今と変わらないと思う。車の流れを環状道路(圏央道だけでなく外環道などへも)へ振り分ける政策が必要だと思う。

 「道路をここに造ります」「作ったから使って下さい」では無責任だと思う。


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