平和憲法

 昨日12月6日、11月29日にイラクで殺害された、奥克彦大使と井ノ上正盛1等書記官の葬儀が行われた。ご冥福をお祈りしたい。

 イラクでなくなられたお二人は、軍人ではない“文民”であった。それも、イラクの復興を願う志の高い方々であったという。そういう方々が、テロで亡くなる事はとても無念である。
 この事件と平行して議論されている、自衛隊のイラク派遣は予定通り行われることになりそうだ。
 外交上の様々問題があるにしても、僕はイラクへの自衛隊派遣は反対したい。
 しかし、「日本は復興支援は、金銭的援助だけでよい」と思っているわけでもない。汗を流すような復興支援もしなければならないと思う。しかし、それが、イコール自衛隊派遣と言うのに疑問がある。日本がやれることは、他にもあるのではないかと思う。
 今回のイラクは、現在も準戦争状態ある。そういう状態で、現地に行き、復興支援をするのは軍隊と言うことになるのかもしれない。非武装の文民の方が殺されてしまった、という事を考えると、武装して身を守る、と言うことかもしれない。
 しかし、目には目を、歯には歯をという考え方で、良いのだろうか。「たら」「れば」を言うのは良くないが、仮に、日本が軍隊を持っていなかったら、軍隊を送ろうとしていなかったら、今とは違う状況になっては、いなかっただろうか。アメリカがイラクを攻撃していなければ今とは違う状況になってはいなかっただろうか。

 そもそも、日本は軍隊を持たず、戦争をしないという、世界でもっとも戦争に反対しよう、と言う国だ。その理想は間違っていないだろう。高い理想だけに、実現は難しかった。日本は自衛隊を持ち、アメリカの戦争を支援してきた。しかし、今までしてきた事は本当に正しかったのだろうか。逆に、第2、第3の太平洋戦争を生むことになってはいないだろうか?(イラクの立場は太平洋戦争当時の日本に似ていると思う)
 憲法の議論が高まる中で、もう一度憲法の理想に、日本の理想に立ち戻って、今、日本がしていることについても幅広い議論が必要なのではないか。


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