狂牛病

  昨年末の12月24日アメリカで初めてBSE(いわゆる狂牛病)の牛が発見され、日本政府は米国産牛肉の輸入停止を行った。現在も日本は米国からの牛肉の輸入を拒んでいる。
 輸入停止の影響で、牛肉のほとんどが米国産だった各牛丼チェーン店では、在庫がなくなると牛丼の販売が出来なくなると言っている。国内の「食」へは確実に影響が出始めている。
 一方、輸入停止措置に対し、米国はBSEの検査率を増やすので、輸入を再開してほしいともめている。これに対し、日本は全頭検査でなければ、消費者の理解は得られないとして、輸入再開には応じていない。米国は、全頭検査は科学的根拠がない、とし、行う予定は今のところない。
 これについて、大きく二つ疑問などがある。一つは、全頭検査だ。米国の主張を詳しく調べてないので分からないが、実際にサンプル数がある一定を越えると全部を検査していることとあまり変わらなくなる。
 しかし、万が一の様な確率で検査をすり抜けてしまう可能性もある。直接口にする物だけに、怖さは残る。これが、日本の消費者の感じていることだと思う。
 けれど、過剰すぎる反応だとも思う。狂牛病ではない未知の伝染病があるのでは? などと考えはじめると、きりがないのだ。
 もうひとつ、疑問なのは昨年末現在で、日本に輸入されていた牛肉の安全性だ。日本の政府は新規の輸入については米国にきつい要求を出しているが、すでに輸入された肉の扱いについては、業者や消費者の選択にまかせているようである(今売られている米国産肉は感染のおそれのない若い牛の、さらに安全な部位がほとんど)。
 これには、何か、おかしいところを感じる。すでに輸入された肉を流通させるなら、新しく輸入しても何も変わらないと思う。

 本来あるべきなのは、きちんと消費者が選択できるように、正確な情報(たとえば産地や年齢など)の提供だと思う。そして、僕ら消費者も、イメージや思いこみだけで判断せずに、きちんとした判断が出来るようにならなくては行けない。


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