大学改革

都立大学
都立大学

 先々週、東京都立大学の新しい名称が「首都大学東京」に決定されたという報道があった。実は、都立大は僕の母校なのだけど、「都立」の大学から独立法人の大学への移行、都立科学技術大学、都立保健科学大学、都立短大をあわせた4大学の統合など、大学が大きく変わろうとしている。

 都立大は、東京都の設置する公立の大学だ。大学は私立? 国立? と聞かれることがあり、いや公立なんですと答えることが結構あったりする。公立大学というのはマイナーな存在なのだ。基本的には、国立大学に近い感じで、たとえば、学費は国立と同額だったりしてきた。そして、国立大学の独立法人化の話が出たとき、やはり都立大も独立法人へ移行する事になった。
 東京都は都立大、科学技術大、保健科学大、短大と4つの大学を設置していたので、これらを統合して一つの大学とすることになった。かといって、キャンパスが一つに統合されるわけではなく、基本的には今の大学が残るような雰囲気だった。ただ、「都立大学」などの名称がなくなることが話題になった。大江戸大学か?! 等とまことしやかにささやかれた。
 4大統合、大学改革は東京都、大学側等の話し合いの元に進められてきた。大学もこれからは競争の時代だと言われている。少子化に伴い受験生が減少し、魅力ある大学しか生き残れなくなるとも言われる。都側も大学側も魅力的な大学を作ろうとしてきた。
 しかし、途中から都と大学のコミュニケーションがうまく行かなくなり、「突然」と言う感じで新大学の構想が都から伝えられた。もちろん、良い部分もあるのだろうが、一方的に突き放す感じでの大学改革は大学側としては受け容れずらい物であったようだ。

 教授が何人か辞職し、総長も声明を発表し、学生もなんだなんだと騒ぎはじめている。大学の改革は必要だけれど、突然、「こうやりなさい」と言われて出来る物ではない。なぜ、もっと密な連携が出来なかったのかと、思う。少なくとも今から何とかならない物か。こんなごたごたのあった大学は、魅力的で行きたい大学だとは思えない。


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