オウム真理教

 先週、オウム真理教の教祖だった麻原彰晃(本名 松本智津夫)被告の一審判決が出た。東京地裁は松本被告に対し死刑を言い渡した。

 オウム真理教による地下鉄サリン事件が起きたのはもう10年近く前になってしまった。1995年3月20日、地下鉄霞ヶ関駅の丸の内線、日比谷線、千代田線に毒ガスのサリンがまかれ、12名の死者、5000名の重軽傷者が出た。現在でも障害の残っている方もいる。また、これからさかのぼること6年、1989年11月4日オウム真理教関係の事件を扱っていた坂本弁護士一家3人が殺害された(当時はオウムの関与が分からず一家の失踪として事件となっていた)。その後1994年6月27日オウム関係の裁判を扱っていた松本裁判所の裁判官宿舎周辺にサリンがまかれ、7名の死者、144名の重軽傷者が出た(被害者に犯行の疑いがかけられるという面でも悲惨な事件だった)。
 こられらの事件は紛れもなくオウム真理教によるテロであり、オウム真理教は日本におけるアルカイダであり、旧イラクのフセイン政権であった。麻原彰晃はオサマ・ビン・ラディンであり、サダム・フセインである。オウム真理教のサリン製造は、イラク・北朝鮮の核開発である。松本、地下鉄のサリン事件はアルカイダによる貿易センタービル、ペンタゴンへの同時多発テロである。オウム真理教が放置されていたら、間違いなくクーデターが起こっていただろう。
 日本にいると、テロ組織というのは遠い存在に思うが、日本にはオウム真理教というテロ組織があり、テロがあった。しかし、日本はテロ対策を行ってきたのだろうか。対策はほとんどゼロと言っていい。破壊活動防止法という法律が出来た。しかし、テロ組織が出来る根本を絶つ努力はなされてきたであろうか。
 現在アメリカのイラクに対するやり方を多くの人が非難している。それは、現在のアメリカの行為が本当にテロを減らす行為にはならないと思っているからだ。世界のテロの根本にあるのはアメリカの一人勝ちと、大きな貧富の格差、そして、アメリカのために貧困になっていると言う思想だ。
 日本のテロは、麻原の思想と、若者の精神的貧困により起こされた。オウムのテロから10年、日本そして世界の精神的貧困は改善されてはいない。


もどる