ザ・ドリフターズ

 先週の土曜日3月20日、俳優でザ・ドリフターズのリーダーのいかりや長助さんが頸部リンパ節ガンなどのために亡くなられた。72歳だった。

 いかりやさんは、もう結構歳をとっているのだろう、と思いながら、いまだにドラマやコントなどに精力的な活動をされていたので、亡くなられた、と言う報道に大きく驚いた。そして、まだまだドラマやコントで僕らを楽しませてほしかったと思った。おそらく、多くの方が同じ思いをもたれたと思う。
 僕は1978年生まれで、生まれたときにはもう「八時だよ全員集合」が放映されていた。もちろん、僕も全員集合を見て育った。全員集合は1985年にその16年の幕を閉じているから、おそらく、僕らくらいの世代が全員集合最後の世代になるんじゃないかな、と思う。
 昨日(3月27日)、TBSで追悼番組が放映されて、懐かしみながら放送を見た。毎回色々な会場で、様々なセットが組み上げられ、ドリフの5人のメンバーが舞台狭しと動き回る。土曜日の楽しみだった。なかでも、個人的には、戦場やギャングのコントが好きだった。
 ドリフのコントって言うのは、押しつけがましいところや、嫌な雰囲気がなくて、とっても純粋に笑えて楽しめた。コントっていうのは、あくまで舞台の上の話でフィクションだから、誰かが叩かれようが、水浸しになろうが、それは作り話ってことだ。作り話だから、僕らは手放しで笑うことが出来る。それはとっても心地よい笑いだ。
 追悼番組を見ていたら、ドリフのメンバーが「僕らのコントって言うのは日常の延長にあった」と言う話をしていた。そう、コントはフィクションでも隣町で起こっていてもおかしくない様に思えてしまう。そこがまた僕らを笑いの中にぐっと引き寄せてくれる。  フィクションだけど隣町にありそうなこと。それは、偉大な日本文化、落語の大切な部分だ。その大切な部分を持つドリフのコントは、大きな日本文化である落語を見事にテレビ用にアレンジして、僕らを楽しませてくれたていたのだと思う。

 全員集合の放送終了もショックだったが、いかりやさんの死はやはり、それ以上に悲しくショックな出来事だった。それだけ、いかりやさんが僕らに多くの良い笑いを与えてくれていたのだと思う。ご冥福をお祈りしたい。


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