江戸東京たてもの園

江戸東京たてもの園
江戸東京たてもの園にて

 3月末に、都立小金井公園に染井吉野の写真を撮りに行った。行くまではすっかり忘れていたのだけれど、小金井公園の一角には、江戸東京博物館の分館である「江戸東京たてもの園」がある。宮崎駿監督が「千と千尋の神隠し」の湯屋(銭湯)や不思議の町のモデルにした街があるところだ。

 花見と一緒に、その江戸東京たてもの園に行って来た。そして、とても気に入った。
 たてもの園は江戸時代以降、主に明治、大正、昭和の建物を移築し保存、展示している。のんびり見て回っているうちに、だんだん気に気に入ってきた。
 まず、多くの建物に自由に入れた。歴史的な建造物だったりすると、ここは立入禁止、ここも立入禁止、なんて事になっていることもある。でも、たてもの園は出来るだけ見てもらおう、と言う考えらしく、多くの建物に自由に入ることが出来た。これはなかなかおもしろく、特に、昭和期の民家だと、ここのお風呂は大きいとか、お、ここは五右衛門風呂か、なんて楽しく見て回った。
 2つ目は、建物が使われていたことだ。藁葺き(わらぶき)の民家では、いろりの火が焚かれていた。ともすると、火は危険だからといって、こういう施設ではいろりの火など言語道断という感じの所もあったりする(煙草は厳禁でしたが)。でも、本当に藁葺き屋根を守ろうとしたら、虫が付かないように、また雨がしみこまないようにするためには、いろりの火は大切なのだ。"すす"が"わら"について、屋根を守ってくれる。そして、いろりの周りでは説明員さんと見学に来た方(僕らだ)で団らんが広がる。田舎の親戚の家に帰ったような雰囲気を感じる。
 3つ目は、文化が伝わってくること。建物の説明もわかりやすかったし、空き地では紙芝居が演じられていたり、竹馬、コマ回し等で皆が遊んでいた。昭和にタイムスリップした様な気になってしまう。いろりにしろ、遊びにしろ、とても暖かさを持っている。

 たてもの園は、建物を通じて明治・大正・昭和の文化おもしろく、暖かく伝えてくれる。お気に入りの場所だ。僕も、是非また行きたいと思っている。


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