早朝

 明け方の空気には独特のさわやか感があって。好きだ。先日、早朝のすがすがしい雰囲気を写真に撮れないかと、少し早起きして近所を散歩した。

 時たま、夜行列車とかで、明け方、起きていることがある。すると、次第に空が白んできて、ゆっくりと太陽が昇ってくる。登ってくる太陽の光は、夜の闇になれた目には結構眩しく、目にこたえる。しかし、目が慣れてきて、空気を吸い込むと、さわやかな朝なのかな、と思えるようになってくる。
 そいういう朝の雰囲気を味わいたくなって、そして、写真にも撮れないかと思って、ちょっと早起きをすることにした。夏至に近いこの時期、日の出の時刻は4時30分くらいだったので、その1時間後くらいに起き出して、カメラ片手に近所を散歩した。友達に話したら、わざわざこんな日の昇るのが早い時期にやらなくても、なんて言われたけど、夏のあさっていうのも良い。
 朝の柔らかい光が斜めから降り注いでくる。まだ空気も涼しく、ゆっくり自転車を走らせると気持ちいい。僕は、こういう朝の涼しい空気が好きなのだ。夏に高原や北の方に旅行に行くと、出来るだけ朝早く起きて、宿の近くを散歩するようにしている。旅行に来ているという、開放感や日常と違った心持ちもあって、いっそう朝の空気をすがすがしく感じられる。
 でも、それは旅行先の高原だけでしか味わえないか、っていうとそうじゃないかもしれない。もちろん、高原で味わえるさわやかさには、かなわないけどごくごく、近所でも朝の空気は味わえる。
 朝の空気を好きな人は結構いるらしくて、僕が近所を散歩していると、何人か同じように散歩している人にあった。そういう人たちを見ると、僕が早起きして近所を散歩するのも間違った事じゃないんだな、とちょっと安心した。

 さすがに、毎日のように5時台に起きるのはちょっと難しいから、気の向いた週末など、ちょっと早起きするのも良いかなと思った。それも、なにも、高原とかではなくて、近所でも良いのかも知れない。


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