参議院選挙

 先週の日曜日は参議院選挙の投票日だった。結果は、自民党が目標の議席数を確保することが出来ずに、民主党が議席数を大きく伸ばした。

 今回の選挙は、今後の日本の将来を作る上で重要な選挙と言われた。しかし、何々選挙と呼ばれなかったことは、裏を返せば特に話題のない選挙だったのかも知れない。
 さて、その選挙の結果であるが、民主党の掲げている「2大政党制」への足がかりとなる結果となった。僕は、民主党の勢力が大きくなったのは、民主党の政策が認められたのではなく、社民党や共産党などの求心力が低下したためだと思っている。
 6年前の選挙の事は良く覚えていないのだけれど、やはり自民党は大きな求心力を失いつつあった。民主党も、まだ長続きする政党になるのか疑問だった。そのような状況の中で、無党派の受け皿として共産党が大きく躍進した。
 しかし、この6年間に民主党が2大政党制を訴えるようになり、もう一方で共産党や社民党の体質の古さが露呈してしまった。社民党や共産党は、自民党などの金権体質に反発し、また、平和憲法の堅持を訴えてきた。しかし、社民党では秘書給与の流用問題が発覚した。共産党は目立ったスキャンダルはないけれど、党の結束の高さは逆に古さを感じさせる。また、北朝鮮問題でもこの2党は役割を期待されたが、うやむやな態度で目立った成果はなかった。これでは、求心力は低下する。
 でも、民主党が新しい政党で、新しい政権構想を抱えているか、というとそれには疑問が残る。民主党も旧政党の利害関係が交錯し、まるで自民党の派閥のようになっている。掲げる政策も、自民党とどこが違うのかよく分からず、民主党が政権を執ってもかつての細川連立内閣のように何か変わりましたか? という政権になる気がしてならない。
 それならば、新しい政党かと思うがその芽が育つのはまだまだ先になる。その中で多くの人は、民主党に票を入れざるを得なかったのだと思う。
 僕は、そういう全ての政党の体質の古さ、国民が政党が変わっても何も変わらないと思う背景は、今の政治が、単なる数の理論でしか動かないからだと思う。国会は言論の府と呼ばれ、また、民主主義は議論を行い、合意を得る事を基本にしているのに、今の国会は数の理論とそれに対抗する実力的な行動しかない。国会そのものの体質が変わっていかない限り、国民の関心はあがっていかないと思う。
 


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