テロ警戒

 今、東京はテロの警戒態勢だという。そのため鉄道の駅などではゴミ箱が撤去されたり、街をゆく警官の数が多い気がする。しかし、テロ警戒のために、ゴミ箱を撤去し、拳銃1丁しか携帯しない警察官が増えるのは、日本だけではないか。

 イラク情勢や、北朝鮮情勢などで、世界情勢がここ数ヶ月にわかに緊迫してきている。アテネでのオリンピックも控え、一層のテロへの警戒が必要といわれている。
 しかし、テロへの警戒といって、ゴミ箱を撤去するような平和な国は日本の他にあるのだろうか。確かに、日本はオウム真理教による化学兵器クーデターを経験している。しかし、北朝鮮やイラクのテロ組織がゴミ箱に毒ガス発生器を入れるのだろうか。可能性は否定できないけど、首相官邸に爆弾を身につけた過激派のメンバーが飛び込んで自爆テロを起こす可能性とどちらが高いだろうか。ま、首相官邸は厳重に警戒されているのだろうけど。テロを警戒するなら東京中を機動隊が警戒すべきなんではないのだろうか。自衛隊が迎撃ミサイルを準備したり、皇居や国会の周りに、戦車で陣取るべきではないのか? それがテロ警戒ではないのか。
 しかし、日本では目に付くことと言えば、ゴミ箱の撤去くらいだ。これは、米国やイラクから見れば、ばかばかしいことだと思う。でも、僕はそういう、ばかばかしいことしか、しないことが大切だと思う。平和ボケだとか、日本は戦争になっても何もしないと言われても、この平和はなにものにも代え難い。東京の街を行き来する戦車も見たくないし、六本木ヒルズや丸ビルの玄関に武装した機動隊を見たくない。
 ところが、参議院選挙でも平和憲法を守ろうとする会派は議席を減らし、憲法9条改正派が議席を伸ばした。社民、共産両党の古さは否定できないが、日本の自衛隊を軍隊とし、再び戦争への道を歩んでしまうことも、大きな脅威である。

 国際貢献や自衛など様々な問題はある。けれど、平和憲法の元でも出来ること、いや、平和憲法の元でしか出来ないことを模索していくべきなんじゃないだろうか。この、平和でのどかな日本の雰囲気が崩されてしまうことはとてつもなく嫌だ。


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