アジア杯

 昨日、4年に1度のサッカーアジア杯の決勝が、中国北京でおこなわれ、ホスト国の中国を破って日本が2大会連続3回目のアジアチャンピョンになった。

 日本に不利なアウェーの雰囲気の中、日本チームは大健闘した。準々決勝では、PK戦で2本はずした後、逆転するなど、これまで、十分見えていたとは言えなかった、精神的タフさも見せ勝ち進んでいった。選手達のインタビューを聞いていると、中国の日本に対する大ブーイングも日本チームをタフにしてくれた要因のひとつだったようだ。相手側のブーイングをバネに戦えるなど日本チームは大きくなったのだと思う。
 さて、その中国のブーイングであるが、僕は決勝戦を見ていてなんだか虚しくなってしまった。
 まず、いろいろ言われている「君が代」斉唱へのブーングであるが、これは歴史的背景を考えると、仕方ないのかとも思う。大戦当時、君が代は大東亜共栄圏の統合の象徴のようにされたし、戦争に大きく関わったとされる日本の天皇をたたえる歌でもある。仮に、日本の国歌が君が代ではなければ、ブーイングはなかったのかも知れない、と僕は思う。
 でも、試合中の彼らの応援はなにか虚しい。自国が得点されてしまうと、静まり返ってしまったり、単に日本がボールを持つとブーイングしたり、中国が劣勢になった終了間際、帰ってしまうサポーターがいたり。なにやら、彼らは自国の勝利を願っているのではなくて、日本の敗戦を願っているような気がしてならない。そして、選手をサポートしようとしているのではない気がする。そういう応援の限り、中国は本当の意味では勝てない気がする。言われているように、大人になって紳士なサポートをしてほしい。

 しかし、そういう意味では、日本の政治家達にも大人になってほしいと思う。今回の中国国民の行動の背景には、第二次大戦での日本の虐殺、虐待などの行為がある。それに対して、日本は謝罪をしてきたと言うが、中途半端な声明を出すだけで、首相や天皇が外国に対して頭を下げたのか。今回、日本は中国に対し、いろんな要望をした。しかし、それ以前に日本も、紳士に頭を下げる部分が必要なのではないだろうか。


もどる