日光

 9月18日から19日まで、連休を利用して日光に行ってきた。今年の6月くらいに、ちらっと足を運んだんだけれど、じっくり見て歩いたのは小学校の修学旅行以来だった。

 いつの間にか、というのは失礼な話だけれど、日光も世界遺産に登録されていた。日光は古くからから信仰の地であったようだが、立派な東照宮ができたのは江戸時代の話だ。それも、徳川家康をまつるために建てられたものだ。実は、そういう個人的な寺社が世界遺産なのか?という疑問があったのだ(それを言うなら他の遺産の多くもそうなのだけど、日光は徳川家の印象が非常に強いのだ)。しかし、十数年ぶりに訪れてゆっくり見ていくと、確かに徳川の印象は強いのだけれど、それ以上に当時の建築や細工の全てを集められて作られた日光の寺社の価値は相当大きいように思えた。
 遺産に登録されているのは、東照宮、輪王寺、二荒山神社の2社1寺及びその周辺であるが、それぞれバラバラという感じであるのではなく全てが一体となっている印象をうける。そもそも、二荒山神社が男体山をご神体とする神社で、男体山山頂に奥宮、中禅寺湖畔に中宮祠、そして、東照宮のとなりに御本社がある巨大な神社なのだ。なので、大きな東照宮も本当は二荒山神社のとなりにちょこっとあるようなものなのだ。
 そう考えると、とっても不思議で、神社の中に神社があったり、神社の中にお寺があったりすることもありそうだ。でも、日本というのはそういう国で、東照宮の中にも、お寺がある。今回、始めて知ったのだけど、鳴龍のある場所は、「本地堂(薬師堂)」といい、仏様である薬師如来がまつられている。神道と仏教が混ざり合うのは日本ならでは光景だが、東照宮にも日本独自の信仰が見られた。
 また、久々に、そしてじっくり陽明門を始め多くの建築物を見ていくと、その豪華さと細かい細工に圧倒される。当時の最高の建築、工芸が集められているのだろうな、と思う。
 そう思いながら日光を見て回っていると、「日光を見る前にけっこうというな」という言葉は嘘じゃないなと思った。日光には、江戸幕府初期の日本の技術が集められている。日光ほど多くの技術が集められた所は、日本中どこを探してもないんじゃないかな、と思う。


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