東海道新幹線

0系新幹線
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 東海道新幹線が10月1日に開業40周年を迎えた。開業当時は、昭和の3大バカなどと称されたが、今では日本を代表する技術の一つになっている。

 東海道新幹線は、40年の間に41億人を運び、走行距離は地球を37500周する15億kmという。これだけの交通機関は世界中どこを見渡しても存在しないだろう。そして、これだけの高速で多くの人を輸送していながら、重大な事故をおこしていないことも新幹線の誇るべき所である。
 さて、新幹線の計画が考えられた当時は、新幹線の計画を多くの人が無謀と考え、このような計画が実現するとは思われていなかったという。しかし、一方で当時、東海道線の輸送力の限界という事が言われていた。東海道線で足らない輸送力を、自動車に頼るか鉄道に頼るか、という事も議論された結果、国土の狭い日本では、多くの人を少ない面積で輸送することの出来る鉄道方式が良いということで、選ばれたという。
 新幹線は、当時の鉄道の世界最高速度256km/hを記録し、営業開始から最高速度210km/hの運転を始めた。現実的な速度としては、もう少し低い速度の可能性もあったと言うが、将来の時間短縮を想定し、一部区間での210kmの営業運転に踏み切ったという。また、快適な座席や、食堂車や車内販売など、車内のサービスも高いものを誇っていた。
 この40年間の間に、新しい車両が開発され、営業速度は最高270kmとなり、開業当時4時間(1年後には3時間10分)だった、東京−新大阪間も2時間30分となった。また、山陽、東北、上越、長野、九州などの新幹線の線路ものびた。
 しかし、逆に失ってきたものもある。食堂車や旅情といった、かつての鉄道が持っていたくつろぎの空間がなくなってきている。今、新幹線のターゲットは主にビジネス客だ。快適な座席と、ちょっとしたテーブルがあれば事足りてしまう。東京から大阪まではたった2時間30分。食堂車でくつろぐ時間ではないのかも知れない。
 しかし、スピードや安全も、日本の鉄道が誇る技術だけれど、鉄道の旅も日本の一つの文化だと思う。東京から博多まで、5時間ほどかかる。食堂車やリビング(居間)の様な、くつろぎの空間があると、ゆっくり楽しめる時間なのではないかと思う。


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