台風

 今年、日本列島に上陸した台風は22号で9個目となり、観測史上最多を記録した。相次ぐ台風の上陸で、各地で大きな被害が何度も出た。

 本当に、今年は台風がよく来たと思う。関東では、直接大きな影響があったのは22号だけだったが、直接台風が来なくても、広い地域に大雨などの影響をもたらす。
 これだけ、都市機能が発展している現代でも、台風による被害は出てしまう。河川が氾濫したり、土砂崩れがおきたり。昔とは被害の規模や内容は変わってきているのだと思うけれど、台風はいまだに僕らにとって大きな脅威である。
 そういう台風が観測史上最多、9つも来たのだから、今年の天候はおかしいのかな、と思ってしまう。
 でも、ちょっと待てよと思う。台風の上陸数が史上最多と言っているのは、気象観察技術が発達してきてからだ。いつから記録が残っているのかよく分からないけど、どんなに長くても100年くらいだろうと思う。僕らが生きている年月と比較したらそこそこの期間の記録があるのかも知れないけど、地球の歴史に比べたら本当に短い時間だ。有史以来の人類の歴史も2000年を越えている。それと比べてもちょっとの記録しかないはずだ。
 たった、それだけの記録と比較して、異常とか、おかしいと言ってしまうのはちょっと短絡的なのかな、と思う。人類の歴史だけ見ても、きっと日本にもっと多くの台風が来た年はあっただろうし、地球の歴史を見ればそれどころではない。地上にどろどろのマグマがあふれて生命のない時代もあったわけだし、今よりもずっと温暖だった時代もあった。氷河期で、日本と中国大陸がつながっていた様な時代もあった。そういう天候というか、気象を考えると、日本に台風が10個きても、20個きても、単なる偶然なのかな、とも思えてしまう。
 とはいうものの、台風が来れば河川は氾濫し、土砂崩れが起き、海岸には高波が押し寄せる。果物は風で落とされ、作物は雨で育たなくなる。これは、僕らにとっては大変なことだ。やっぱり異常な事なのだと思う。でも、それは僕らにとって異常なのであって、地球の歴史からすればほんのささいな事のなのだと思う。


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