紅葉

 大きな台風が去っていき(またきているという話もありますが)、朝夕が冷え込むようになり、関東でも秋本番を迎えたかなと思うようになってきた。暑かった季節が終わり、何をするのにも最適な季節とよく言われる。

 今年は夏がとても長く続いた印象がある。10月に入ってようやく秋の気配が聞こえてきたのかな、と言う印象だった。でも、いくつか大きな台風がすぎていき、関東周辺は夏の空気から冬の空気へ変化しているのが感じられるようになった。富士山でも先週の21日ようやく冠雪が観測された。平年より20日ほど遅かったという。
 朝夕涼しくなってくると、どこかに出かけようか、と言う気にもなるし、体も動かし安くなる。スポーツの秋だ。作物も多くのもが収穫時期を迎えて、おいしい食べ物が沢山集まるようになる。収穫祭や、運動会、学園祭など祭りの季節でもある。夏の日射しとは違う雰囲気になってくる。
 木々も赤、黄に紅葉し、山が真っ赤にもえる。紅葉はきれいだと、多くの人たちが山や寺社にあつまる。僕も、例に漏れず紅葉の写真を撮りに行く。
 そこで、じっくり紅葉の写真を撮っていると、どうも妙な気分になることがある。じっくり綺麗に紅葉している葉を探そうとすると、なかなか見つからない。よくよく考えてみると、葉が落ちようとしているのだから、花や若葉のように綺麗な紅葉というのは、そもそもなかなかないのだろうという事に気づいた。紅葉は一見綺麗だけれども、そこには葉が落ちていくむなしさのようなものがある。
 そういう時、決まって思い出す言葉がある。高校を卒業したとき、世界遺産の合掌集落で有名な富山県相倉(あいのくら・岐阜県白川郷の近く)の民宿に泊まったとき宿の方から聞いた言葉で「私は秋はあまり好きじゃなくてねえ。これからまた雪に閉ざされる冬が来るのかとおもってしまって。やっぱり春の方がいいねぇ」という言葉だ。何回か、この日記でも書いた気がするのだけど、僕にとってはとっても印象的な言葉だ。
 秋にはやっぱり、そういう沈んでいくようなイメージもつきまとう。でも、もうすぐ冬が来るからそれまでに思いっきり楽しもうじゃないか、という季節でもあると思う。紅葉もここまで綺麗に染まるか、という美しい葉を目にする事もある。


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