清流黒川

黒川清流公園
黒川清流公園にて

 「清流黒川」こう言うと、阿蘇の黒川温泉を流れている川か、と思われる方がいるかも知れない。でも、この黒川は東京、八王子市の隣、日野市にある川なのだ。

 先週、久々に近所を自転車でふらふらしていた。カメラの中にフィルムが入りっぱなしになっていたので、それを使いたいな、と思っていたのだ。
 カメラを鞄に入れて、前から気になっていた中央線豊田駅〜日野駅の南側に広がる緑地帯の周辺をうろうろしていた。この緑地帯は、多摩川の支流である浅川の造りだした河岸段丘の崖の部分で住宅地化されずに緑地として残っていたのだろうと思う。河岸段丘というのは、ちょっと耳慣れないかも知れないが、川沿いに丘が続いている様な地形のことだ。
 その急な斜面沿いが今は緑地公園として整備されている。公園の看板を読むと、緑地公園は10ヘクタールもないようで、それほど広くはないようなので、僕はあまり期待をせずに公園を散歩した。住宅地の公園としたら十分な広さはあって、ちょっとした散歩や、ベンチに座って本でも読むにはまずまずの雰囲気だった。でも、これと言った特徴があるわけでもなさそうだな、と思いながら散歩を続けた。
 斜面を下っていくと、僕の公園に対するイメージががらっと変わった。どうやら、湧き水があって、池もあるようなのだ。正直、「こんな所に湧き水が!」と驚いた。そして、よくよく考えると、この浅川沿いの河岸段丘は湧き水が豊富だったことを思い出した。となりの八王子でもなんでこんな所の水路なのに綺麗な水が沢山流れているのだろう、と思ったことがあった。それも、おそらく同じ様な湧き水だったのだろう。近くに「うかい」という豆腐屋がある。これも、地元の名水で豆腐を作っているそうだ。
 そうか、こんな近くに綺麗な湧き水があったとは、と「水」好きの僕は素直にうれしくなった。水の流れは澄んでいて、試しに手を入れてみるとそこそこ冷たい。この水の水源であると思われる、段丘の上、つまり丘の上の土地はほとんど住宅地になっている。日野自動車などの工場もたくさんある様な所だ。そういうところから流れてきている水とはちょっと想像が出来ない水だった。大地の中の水の流れはすごいんだなぁ、と純粋に驚いてしまうとともに、丘の上の街はこの水をもっと綺麗にしていかなくちゃいけないな、と思った。

参考 日野市のホームページより http://www.city.hino.tokyo.jp/info/osusume/25a.htm


もどる