牛丼

 アメリカ産の牛肉の輸入が停止されてから、そろそろ1年になる(昨年12月24日にいわゆる狂牛病の牛が見つかり、すぐに輸入停止になった)。吉野屋などで牛丼の販売が停止されてからもずいぶんたった(今年の3月くらいから停止している気がする)。ここにきて、中国産などの牛肉を使い、松屋やすき屋で牛丼が再開され、吉野屋は牛焼肉丼を登場させた。

 早速、松屋で牛丼を食べてみたのだけど、こんな味だったかな、とちょっと落胆してしまった。正直なところ、以前の方がおいしかったと思うのと、やっぱり、牛丼の味では吉野屋が一番良かったようにおもう。松屋は牛丼だけではなくて、カレーなどもやっていて、生粋の牛丼屋というイメージではない。そこへいくと、吉野屋はねっからの牛丼屋というイメージだし、やっぱり牛丼なら吉野屋というイメージだ。
 ともかく、牛丼屋にとって、非常事態である牛肉の輸入停止がこんなに長く続くのは、何ともしがたいことだろう。僕ら、消費者もここまで長く輸入停止が続くとは思ってもいなかった。ようやく、若い牛に限った輸入再開が始まりそうになってきているが。
 しかし、なぜここまで牛肉の輸入停止が長引いたのだろうか。米国側が全頭検査を拒否し続けたとというのも一つの理由だと思うが、日本側も全頭検査を要求し続けた。結局日本側が、若い牛に限りという形で妥協することになったのだが、それまで半年以上かかっている。この半年間、日本と米国の関係者達は何を議論していたのだろうか。そこには、科学的や経済的な根拠に裏付けられた議論があったのだろうか。ちょっと、気になる。
 それに、なぜ日本側が全頭検査にこだわり続けたのだろうか。たしかに、全頭検査でないと不安は残る。しかし、米国の牛肉の質・量・価格は魅力的だと思う。お互い妥協点を探し、もっと早く輸入できなかったのだろうか。
 それは、消費者が許さないという意見もあるだろう。でも、それは、きちんと米国産の牛肉であることを示し消費者に選択してもらえば良いことなのではないだろうか。米国産と言うことや、牛肉に限らず、産地や経歴などをきちんと明示し、それを元に消費者が選択していく。こういうやり方はやっぱり難しいのかな。


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